ヒデキマツバラの猫道Blog

音楽/創作活動のかたわら発見した気づき、笑い、癒し、そして魔法をつづったドラネコ風エッセイ

とても小さな交響曲

  

あんなに暑かった夏の日々も、9月に足を踏み入れた途端

はさみですっぱり裁ち切って、縁をかがったように、なりを潜めた。

 

以来、僕の街では、毎夜のように

素敵な音楽会が催されている。

 

虫たちのシンフォニーオーケストラ。

それは地球で一番美しい交響曲

 

豊かな音色が奏でてくれるのは

過ぎ去った少年時代の夏。

 

笑顔で迎えてくれるおばあちゃん。

夏草の香り。

田舎の川遊び。

あぜ道の小冒険。

縁側でほおばるスイカ。

黄昏前の夕立。

いとこたちと愉快な花火。

夢のごときホタルの群れ。

蚊取り線香の夜。

 

親戚一同、ひとつ屋根の下に集って

よく笑い、よく食べ、よく遊び、満足の寝息を立てた夏。

 

何もかも、すべて消えていった。

虫の声だけを残して。

 

 

 

それは季節外れの静かな夜になると、恋しくなる音色。

CDシェルフに指を伸ばしては

虫の声入り自然音CDを引き出す。

 

あの輝いた夏の日々を呼び覚ます調べ。

ノスタルジーに浸らせてくれる楽の音。

どんな時でも、包み込んで守ってくれる癒しの音波。

 

 

 

「Tiny Little Symphony 〜とても小さな交響曲〜」

今度作った新しい作品。

 

それは10年前に一度、作りかけた楽曲。

でも、一音たりとも形にできなかった。

 

あまりに小さくて、ささやかなものなのに、

あまりに大きくて、 つかみきれないものだから。

 

幸せって、そういうものなのかもしれない。

 

人に気づかれぬもの。

気づいても、すぐに忘れ去られてしまうもの。

二度と帰ってこないもの。

 

やっと楽曲へと仕上がった、遠い夏の記憶。 

24日のコンサートでご披露しますね。

 

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(写真/僕の魂のふるさと、北広島町大朝にて) 

 

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