ヒデキマツバラの猫道Blog

愛猫家ミュージシャン、ヒデキマツバラのキャットウォークブログ

名曲「Dust In The Wind」完コピーに挑む 〜5/5コンサート音楽制作Part3〜

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(画像出典/pixnio.com)

 

「ダスト・イン・ザ・ウィンド 〜すべては風の中に〜」

アメリカのロックバンド、カンサスが70年代に放ったヒット曲です。

 

今度の5/5公演に向け、初めて取り組んでます。

この歌を選曲候補に推したのが、ボーカルクラスのケイコさん。

MTV世代のケイコさんがこんなシブい曲を選んでくるとは意外でした。

 

 

大地と空の狭間で

原曲はフォークサウンド

無常観に満ちた、はかない歌詞が切ない。

 

「何もかもちっぽけで、風に舞うホコリのようなもの」

「何を成し遂げても、残るのは大地と空だけ」

 

この作品をモダンなアレンジで歌ったのがサラ・ブライトマン

彼女のアルバム「エデン」に収録され、ひときわ異彩を放っていました。

コンサートで初めて披露されたのが、砂漠を舞台にした「ハレム」ツアーでした。

 


Sarah Brightman "Dust in the wind"

 

切ない詞も、この清廉たるクリスタルボイスで歌われると、印象がグッと変わってきます。

例えるなら、真っ青な空の下、手のひらからサラサラこぼれる砂漠の砂粒のような感触。

けがれ知らずで、自由な心地。

はかなさどころか、むしろ希望すら感じさせるんですね。

貪欲な人生から解き放たれ、無の状態(原点)に立ち返り、未来を俯瞰するイメージ。

それは音楽キャリアで度々打ちのめされながらも業界を生き抜いてきたサラ・ブライトマンだからこそ、至ることのできた境地なのかもしれません。

 

またしてもギター

僕はサラのおかげでこの曲を知りました。

編曲も変化に富んでいて、これほどこの作品にふさわしいアレンジは他にありえない。

そこで今度のプリンスホテル公演に向けて、「スカボロー・フェア」同様「ダスト〜」もサラのバージョンを完コピーすることにしたのです。

 

hidekimatsubara.hatenablog.com

 

「ダスト〜」の打ち込みには、ひとつ課題がありました。

楽器編成です。

前半はひたすらギターがメインで、バックに弦楽オーケストラが遠慮がちに奏でているだけ。

 

うぅ、またしてもギターですか。。。

スカボローみたいに、いろんな楽器がカラフルに鳴っていれば、打ち込みギターもなじみやすいのですが。

一音一音打ち込むより、誰かアコースティックギター弾ける人を呼んだ方が早いんじゃ。。。

 

なんて弱気になりながら、いざ音源に耳をすませると、ツインギターで録音されてることが判明。

これ、いい!

ギター1本の打ち込みだとぎこちなくても、ギター2本ステレオで鳴らせば、お互いのフレーズが絡み合って自然と奥行き感が出せるんです。

 

意気揚々と打ち込み開始。

楽器編成がシンプルな分、たちまち耳コピーを完了しました。

 

踊れるビートを作るコツ

楽しかったのが、後半の民族っぽいパーカッションの打ち込み。

上記YouTube動画だとわかりにくいですが、ここから女性ダンサーたちがアラビアンな舞いを始めるんですよ。

 

そこで20トラックほど打楽器に割り当て、様々なリズムパターンを試しながら組み合わせ、ノリをつけていきました。

サラバージョンを忠実になぞりつつも、5割増しくらいビートを増強。

 

ここで、踊れる楽曲を制作するコツを伝授しましょう。

それは「絶対にデスクチェアに座ったまま作業しない」こと!

立って実際に踊りながら制作しましょう!

 

耳で聞いて判断しながらサウンドを作っていくのではなく、体がどう反応するか見極めながら作り込んでいくんです。

あなたの足がつんのめったり、ただいたずらにステップを踏んでるようでは、まだまだひよっ子ビート。

せっせとリズムの足し算と引き算を繰り返しながら成長させていきましょう。

 

すると、いずれその時がやってきます。

自分の足が新種のステップを踏み出した時。

腕や体が独創的なダンスを踊り始めた時。

その時こそ、完璧なビートを手に入れられた瞬間です。

 

気分は、さながらブラジルのカーニバル!

ダンスの権化と化すヒデキマツバラ!

 

はたから見てる人にとっては異様な光景かもしれませんが(笑)

そこまでビートの制作が極められたら、リズムトラックは完成です。

 

5月の風

  「ヒデキ先生、すごい! サラのCD通り再現されてる!」

完成した音源を耳にしたケイコさんは、大粒の涙をポロポロ流しながら感動してました。

 

ケイコさんは、フレーズに対する感受性が豊かな人。

特に「ダスト〜」で震えるくらい好きなのが、間奏部分なのだとか。ストリングスが掛け合いながらかき鳴らしていく箇所ですね。

「スカボロー・フェア」だと間奏のピアノフレーズらしいです。

 

ケイコさんを見てると、楽曲に対して敬意を払ってる姿勢がひしひしと伝わってきます。

それはプロアマ問わず、ステージに立って人前で音楽を披露する際、特に大事なこと。

音楽に宿る魂と共鳴し合い、それを多くの人たちと共有するのが舞台なのですから。

 

ケイコさんと共演する「ダスト・イン・ザ・ウィンド」

5月の光と風にのってお届けします。

どうぞお楽しみに!

 

 

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DAYBREAKER ヒデキマツバラ by Hideki Matsubara

 

次回公演まで、あと3日!

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