ヒデキマツバラの猫道Blog

ドラネコ目線でサウンドクリエイターの日常に潜む笑い、癒し、気づき、魔法をつづったキャットウォーク・エッセイ

トーキョーに心奪われて - I LOST MY SOUL IN TOKYO -

f:id:hidekimatsubara:20190612102708j:plain

雨に煙る 黄昏のトーキョー(港区の高層階より)

 

魅惑の都市トーキョー。

黄昏の訪れとともに、強くなってゆく雨脚。

東京タワーからレインボーブリッジを一望しながら、胸をよぎった楽曲がありました。

 

 

My Army of Lovers


My Army Of Lovers - Army Of Lovers

 

行きましょう 生き甲斐を胸に

愛を与えられし地へ

世界中を旅しながら

群れなす我が愛人たち

 

ディズニーワールドから イエローナイフ*へ

アメリカ大陸こそ 我が人生

愛の波に乗りながら

群れなす我が愛人たち

 

愉悦の夜に シェリー・ムーン

日の出へ向けて 踊り戯れる私たち

トーキョーに心奪われてしまったの

群れなす我が愛人たち

世界中を巡ってゆく

 

サントロペ**から ラ・ディファンス***へ

かぐわしき愛人は ラテンの香り

甘き悦楽 火照る体

群れなす我が愛人たちよ

 

礼をわきまえた 誇り高き我が紳士に

ロンドン街から 手を振ってお別れ

さそり座が 空高く昇ってゆく

群れなす我が愛人たちよ

世界中を巡ってゆく

 

宇宙へ向け 我らは地上を離れる

幸せに 陽気に

神なる愛に 辺境なんてない

光の下 旅する群衆にとっては

 

雪の結晶の中に 宮殿の衛兵

レニングラードから来た 私の宇宙飛行士

さぁ あなたのレーザービームで 私を撃ち落として

群れなす我が愛人たちよ

 

タージマハルで 体を休めたら

王家の寝床は 愛の巣

古典芸術の領域へ 踏み込んでゆく私たち

群れなす我が愛人たちよ

世界中を巡ってゆく

 

訳詞/ヒデキマツバラ

 

訳注

*イエローナイフ…オーロラが見られるカナダ北部の都市

**サントロペ…地中海に面した南フランスのリゾート地

***ラ・ディファンス…パリの高層ビル街

 

梅雨のメトロポリス

アーバンでクールなグランドビート

大人の色香ただようスポークンワード(語り)

絶妙な韻を踏んだ、ロマンあふれる耽美な歌詞

滲み出る官能性とインテリジェンス

 

アメリカ、フランス、イギリス、ソ連(*本作発表当時)、そしてインド。

メトロポリス(大都市)を旅情豊かに巡りながら、愛を語ったこの作品。

そこにはトーキョーも登場します。

 

I lost my soul in Tokyo

(トーキョーに心奪われてしまったの)

 

f:id:hidekimatsubara:20190612184945j:plain

雨のレインボーブリッジ

 

18歳の夏を目前にした梅雨でした。

多感な時期にあって、この作品が醸し出す雰囲気に心奪われたのは。

以来、いまだに自分の中で瑞々しく流れ続けている楽曲です。

 

この楽曲を世に送り出したのは、スウェーデンのダンス系ユニット、アーミー・オブ・ラバーズ。

他のアーティストとは一線も二線も画した芸術性と劇場性を持った、ユニークなユニットです。

彼らのことは、いずれまたブログで取り上げていきましょう。

 

グランドビートの美学

80年代後半にUKで誕生したグランドビートは、形式上ハウスミュージックに分類されています。

ただ、フィジカル(肉感的)なハウスと対照的に、グランドビートはひんやりした都会の中に息づく知性を感じさせるサウンドが特徴的です。

 

ロマンティシズムに溢れた「My Army of Lovers」も例外ではなく。

サウンド、歌詞、語り口調にさえ、感情の色が全く見えません。

そこにあるのは雰囲気だけ。

 

でも都会が無感情で無表情なのは表向きのこと。

そこに官能の雫をポタリと落とせば、ドラマティックで成熟した歌が生まれます。

まるで超高級ホテルにチェックインしたように、ラグジュアリーな物語を伴って。

 

f:id:hidekimatsubara:20190612185146j:plain

 

ちなみに、この音楽スタイルを踏襲して全米No1に輝いたのが、マドンナの「Justify My Love」でした。(こちらもいずれブログで取り上げたいです)

 

神なる愛に辺境なし

夢見るようにゴージャスな歌詞の中で、特に素晴らしいのがフランス語の部分。

 

L'amour de Dieu n'a pas de frontière

(神の愛に 辺境なんてない)

 

なんと文学的で美しい表現でしょう!

 

「どんな愛も、神の名の下に神聖だ」と僕は解釈してます。

あなたならどんな風に解釈しますか?

 

都会の哀しみ

本作で印象的なのは、めくるめく愛を語りながら、どこか悲哀が感じられるところ。

それは、出会いと別れが表裏一体のモダンな都市型ライフだからこそでしょうか。

 

そこで愛する者同士をつなぎとめる絆は、蜘蛛の糸のように細く脆い。

次にいつ会えるか、このまま二度と会えないかは、天のみぞ知る。

朝がくれば、夢から目覚めたように別々の道をゆく二人。

 

その刹那性を察していながら、恋人たちは黙して語らず、愛に溺れる。

哀しみを孕んだ、行き場のない情だけを見え隠れさせながら。

 

命短きホタルのように、永続性とは無縁の愛物語。

だからこそ、この作品はこれほど美しく、心を捉えて離さないのかもしれません。

 

梅雨入り間近のトーキョーを離れるその夜。

雨の黄昏を胸に、僕は最終新幹線に乗りました。

 

f:id:hidekimatsubara:20190612185252j:plain

 

いつもサポートありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。
下の【ミュージシャン】ボタンをポチッとお願いします。

にほんブログ村 音楽ブログ ミュージシャンへ
にほんブログ村 

 

ミュージックハウス美美の環 presents
HAPPY SUNDAYS カクテルパーティー
SUMMER SOLSTICE 〜夏至祭〜

f:id:hidekimatsubara:20190527062724j:plain

【Date】2019-06-16(Sun)14:00 - 16:00

【Place】Miminowa Studio(広島市中区鶴見町2-24-401)

【Admission】¥2500(with Drink & Finger Foods)要予約

【Performance】DJヒデキマツバラ、コンスタンツェ桂子、SAM

【Contact / Reservation】info@miminowa.com

 

母のピアノと共演したポール・モーリア作品 


【ポール・モーリア】そよ風のメヌエット/ミュージックハウス美美の環/Paul Mauriat - Petite Mélodie