サラ・ブライトマン「HYMN」ワールドツアー来日公演エピソードの第三夜です。
第一夜&二夜はこちらからどうぞ。
第一夜
hidekimatsubara.hatenablog.com
第二夜
hidekimatsubara.hatenablog.com
理由なき涙
それは開演間もない4曲目「カルペ・ディエム」でのことでした。
歌い出しを耳にした途端、僕の両目から涙がボロボロこぼれ始めたのです。
映画館で泣いたことはあっても、ライブ観ながら泣いたのは生まれて初めて。
自分でも驚いてしまいました。。。
こちらがその曲。
サラのクリスマスアルバム「ウィンター・シンフォニー」用に書き下ろされた美しいデュエット曲です。
この曲のパフォーマンスの間ずっと、涙が流れるままに。
歌が終わってから、あわてて取り出したハンカチ。
まだコンサート序盤なのに、ボロボロ涙をこぼす大の男を人目に晒すわけにはまいりません!
さて、感動して泣いた、というのなら理が通ります。
ところが、この涙はなんら感情的なきっかけを伴いませんでした。
感情とは無関係に、体の方が反応して涙がひとりでにこぼれて止まらなくなってしまったのです。
一体、なぜこれほどまでに僕の涙は反応したのでしょう。
歌声なのか?
メロディーラインなのか?
帰宅後、訳詞をじっくり読んだ僕は、そこに答えを見つけました。
カルペ・ディエム
今日この日を生きなさい
今日この日を生きなさい
栄光と苦悩に満ちた この瞬間
鼓動は正しく脈打っているか
今を楽しみなさい
今を楽しみなさい
果てなき不毛の地を焼き尽くし
永遠の光を放つ
この日を抱きしめなさい
今と同じ道を通ることは 二度とない
この朝は二度と来ない
この夜明けを見ることは 二度とない
私たちはか弱く この命は儚いけれど
永遠に触れて
光陰矢の如し
今日この日を生きなさい
今日この日を生きなさい
栄光と苦悩に満ちた この瞬間
鼓動は正しく脈打ってるか
今を生きろ
「カルペ・ディエム」とは、もともと古代ローマ詩人ホラティウスの作品に由来する言葉。
意味は「今を生きろ」
まさしく自分が置かれている状況のままでした。
昨年末、いまだかつてない人生の荒波が僕を襲いました。
倒れた母の介護に入り、なんの心構えもできてないままビジネスを引き継ぎ、そこで自分には知らされていなかった多額の融資が明らかにされ。
まるでメロドラマのようなそれらの詳細は過去記事に譲りますが、母の命を救うため、取引先とビジネス関係を発展させるため、そして生き抜くために、毎日が戦いと挑戦の連続でした。
そんな中で、ひとつ決心をしたことがあります。
どんな災厄に見舞われても、犠牲者精神だけは持つまい。
それが僕の及び腰な生き様を変えました。
過去に束縛されて今の自分に限界を感じる生き方でもなければ、未来に大望や不安を抱いて今という時間を浪費する生き方でもない。
今この時を生き、直面して、そこへ飛び込む生き方へ。
何が起きても、そこから学びを得ようとする生き方へ。
それが僕を打たれ強くしたのでした。
どんなことが起きても、日々を抱きしめるように生きよう!
そんな栄光と苦悩に満ちた8ヶ月間の僕の人生が、そのまま「カルペ・ディエム」という楽曲の中に描かれていたのです。
それがあの日の僕を男泣きさせたのでしょう。
光と輝きの正体
この夜のサラ公演は、不休状態が150日ほど続いていた中で手にいれた特別な時間でした。
それはまるで、果てなく続く荒野の中で見つけた灯火のようで。
その暖かさと輝きに触れて、気付かされました。
自分の中にこれほど流すべき涙が溜まってたんだなって。
ブライトマン(輝ける人)という名を持ちながらも、サラは今のキャリアを確立する以前、数多の挫折を経験してきました。
栄光と苦悩に彩られた人生。
どれほど人知れず辛い想いをしたことでしょう。
でも、人生は生きるに値する。
なぜならそこに深い学びがあるから。
それを知っているサラだからこそ、彼女の創造するものは光と輝きに満ちているのではないでしょうか。
それも決しておとぎ話のような作り物の光と輝きではありません。
影を内包する光であり、失意を内包する輝きなのです。
まさしく泥に咲く蓮の花のごとし。
世間一般では「希望を持って生きることが大事だ」とよく言われます。
でもそれは逆だと思います。
今この日をガツンと生きて、目の前の困難なことに立ち向かっていったら、希望って必ず見えてくるもんなんです。
サラはそのことを誰よりも知っています。
だから僕は彼女を尊敬してやみません。
事態を好転させるのはすべて、自分自身の勇気次第。
そしてサラこそ勇気を持った「人生という舞台の闘士」なのです。
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サラ・ブライトマン「ラ・メール」の歌詞に触発されて制作しました。
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【Performance】DJヒデキマツバラ、MAYUMI、コンスタンツェ、SAM
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