屋根裏部屋で暮らす、孤独な絵描きがいました。
ある晩、お月様が彼に語りかけてきます。
その後もお月様はたびたび彼の窓辺を訪れては、その優しい光とともに世界中で見てきた様々な出来事を話して聞かせたのでした。
アンデルセンの連作短編集「絵のない絵本」はそういうお話です。
子供時代からのバイブルでして。
僕はお月様が大好きです。
夜道でお月様に出会うと、それはそれはもう嬉しくて、顔がほころんじゃいます。
そして心のランプがポッと灯るのです。
時に、昔馴染みの大親友に再開した懐かしさで。
時に、麗しき王妃にお近づきになれた誇らしさで。
マイルームにやってきたお月様
ハロウィンコンサートのコンセプトテーマは「月」にしよう!
そう思い立ったのは、あるインテリア照明を発見したことがきっかけでした。
それがこちら。
お月様の形をしたテーブルランプ!
月面の地形まで3D化されているほどの凝りよう。
ネットで見つけて一目で気に入ってしまいました。
どうやらこのお月様、充電してコードレスで使えるようです。
さらには色設定まで変えられて、16色に光るとのこと。
そこでひらめいたのでした。
ハロウィンコンサートのオープニングで使おう!
できるだけ舞台映えするよう、一番大きな24cmサイズを買い求めました。
こうして僕の部屋にお月様がやってきたのです。
お月様との共演
月のランプを使った演出構想は、指をパチンと鳴らす間にまとまりました。
僕はお月様を胸に抱いてステージに登場する。
お月様を愛でては崇めつつ客席へ降り、月のパワーをオーディエンスに振りまきながら会場を一巡する。
最後は再び舞台に戻り、お月様とキスを交わす。
歌でもなく、演奏でもなく、演出で見せるお月様との共演。
こうした見せ場を、第1部と第2部それぞれの冒頭で用意しました。
第1部「新月」では、美しい黄金色のお月様と共に。
第2部「満月」では、刻々と色が変化していくお月様と共に。
お月様の望み
そんなシーンのバックで流すのにふさわしい曲はなんだろう?
まず頭に浮かんだのがディープ・フォレストの「ムーン・ライト」
ところが、です。
お月様は首を縦に振ってくれません。
なぜなの?
お月様が答えます。
ワタシノタメニ、アタラシイサクヒンヲフタツ、カキオロシテ。
そんなわけで、にわかに僕は連作新曲「New Moon」と「Full Moon」の制作をかかえることになりました。
ただでさえ当初よりプログラム曲数がふくらみ、制作時間は手一杯。
いつものようにメロディーを作っては寝かせ、寝かせては育てるというプロセスを踏んでるヒマはありません。
本番を目前に控えた最後の2日間、起床直後に浮かんできたメロディーをそのままメモして、夜中に編曲と打ち込み作業に入る、その繰り返しで奇跡的に完成しました。
宇宙的な旅立ちのシークエンスフレーズに彩られた「New Moon」
アラビア音階を用いながら砂漠を越えていく「Full Moon」
どちらもエレクトロニカ系ビートとオーケストラを融合させた壮大なシネマティックサウンドになりました。
楽器編成はほぼ共通、いずれもメジャーキーとマイナーキーを交互に渡り歩く不思議な展開。
いつものように主旋律をストリングスで奏でる代わりに、力強い低音のブラスサウンドを用いたくなったのも、お月様の意図でしょうか。
双子のようでありながら、それぞれ導かれるように異なった個性へと育った2曲。
どちらも各部2曲目「フィーバー」や「25セントの満月」へそれぞれ継ぎ目なくスムーズに移行していく流れも見事でした。
今、改めて両曲を聴いてみて、摩訶不思議な心地がします。
あんな短期間にこれが自分の中から、それも即興で生まれたとは。
まるで無痛分娩で双子を産んだ気分^^
行き当たりばったりに作ったとは思えないほど、自信と冒険に満ちたダイナミックなサウンド。
お月様が望まれなければ、絶対に存在することのなかった2曲。
すべては、この月のランプを見つけたことから始まったわけです。
お月様からのお礼
終演後、打ち上げを終えた頃には、もうとっぷり陽が落ちていました。
共演キャストのデクさんが、車で送ってくれた帰り道でのこと。
突如、行く手に現れたのは、綺麗な綺麗なお月様!
しかも欠けたところのない見事なまでに美しい満月でした。
東の空から天高く昇っていこうとする彼女は、まさしく夜の女王!
女王陛下のまばゆい輝きに満ちたお姿こそ、この日僕に与えられた最高の栄誉だったのでした。
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「まだ愛することだけしか知らなかった日々へ帰ろう」
オリジナルバラード作品です。
スペアミントに抱かれて ヒデキマツバラ SPEARMINT by Hideki Matsubara
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クルージングツアー2019 〜松山・道後編〜
【旅程】2019-10-20(日)
06:45 広島港発〜新クルーズ船Sea Paseo
09:25 松山観光港着〜貸切バス
10:00 松山城〜ロープウェイ〜伊予鉄
12:00 道後館にて豪華会席料理
13:30 道後ハイカラ通り散策〜貸切バス
16:50 松山観光港発〜フェリー
19:30 広島港着
【料金】14800円(税込)
*料金に含まれるもの…豪華会席料理/往復乗船料/貸切バス代/ロープウェイ運賃/伊予鉄運賃/松山城入館料
【備考】添乗員が同行します
【申込締切】10/15(火) SOLD OUTしました!どうもありがとうございました。
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