ヒデキマツバラの猫道Blog

ドラネコ視点の少し風変わりな猫道(キャットウォーク)ブログ

節分の夜の出来事 - Night Before The Beginning of Spring -

 

2月3日、月曜日。

母が急死して2週間になろうかという頃。

 

それは冬と春の境目。

節分の夜のことでした。

 

今日のブログでは、節分の思い出を振り返りながら、今週明けの2月3日に起きた出来事について書いていきます。

 

 

愉快な節分

母は日本の伝統行事を大切にする人でした。

もちろん節分には欠かさず豆まきです。

毎年2月3日になれば、ちゃあんと枡に入ったお豆が用意されていました。

 

節分の思い出は尽きません。

子供時分には、節分を迎える楽しみでワクワクソワソワしたものです。

 

まだ父が生きていた頃など、それはそれは愉快な夜でした。

鬼のお面を交互にかぶる父と母、笑いさざめきながらお豆をまく僕ら兄妹。

ティーンエイジャーにもなっても家族睦まじく豆まきしてました。

 

気恥ずかしい節分

名古屋の芸術大学を卒業後、僕は地元に戻って母と二人暮らししながら、一緒に美美の環スタジオで音楽活動を続けてきました。

もちろん、節分には二人で豆まきです。

 

「ヒデキさん、そろそろ豆まきしましょ」

夕食を食べ終えて程なくすると、母が僕の部屋に声をかけてきます。

 

大人になってまで、親と豆まき。。。

成人したら親元を離れて独立する、というアメリカ式のライフスタイルが定着している我が日本において、他人が聞いたらドン引きしても仕方ないくらい稀有なこと。

成人女性ならまだしも、成人男性ときてるのだからなおさらです。

 

僕は気恥ずかしい思いをしながらお豆を手に取り、聞こえるか聞こえないかの声で「鬼は外、福は内」

それでも不思議なもので、母とお豆を撒いてるうちに童心へと帰ってゆきます。

枡の中が空っぽになる頃には、すがすがしい気分さえ感じたものです。

 

「親と豆まきなんて、マザコンみたいで恥ずかしい」

なんて思ってること自体、未熟な心の表れなのですね。

 

仲違いの節分

息子さんを持つお母さん方からよく言われました。

「親子で仲良く暮らしながらお仕事も一緒なんて羨ましい」

 

確かに母との仲は良好でした。

が、さすがに365日、生活も仕事も一緒とあっては、衝突することもままあるもの。

 

母は、僕が何歳になろうが子供としか見ていません。

僕は、自分も大人になったことを母にわからせたくてたまりません。

 

そんな折に節分を迎えようものなら、冷戦さながらでした。

僕は大人げなくふて寝、母が一人で豆まき、という節分もありました。

 

仲直りの節分

その一方、節分のおかげで、母との気まずさが解消したこともあります。

 

「そろそろ母と喧嘩の仲直りをしてもいいのだけど。。。」

心の中ではそう思っていても、なかなか素直に自分から謝ることができません。

 

お豆の入った枡を渡されても、チェッ、仕方ないな、と拗(す)ねた態度で受け取ってみたり。

それでも気持ちは軟化してるので、母とそろって部屋を回りながら、豆まきはするのです。

 

母の部屋に豆をまく段になると、僕のユーモア精神が頭をもたげました。

そこで僕はひたすら「鬼は外、鬼は外、鬼は外」と唱えながら、母の部屋へお豆を投げ続けたのです(笑)

 

これが母にウケて「もぉ、ヒデキさん!」と怒ったフリをしながら母も笑ってる。

それで仲直りした節分もありました。

 

多忙な節分

今年の節分の日は、用事に埋もれっぱなしでした。

母のことで各所に提出しなければならない期限付きの書類が山ほど。

10日間休んでいたレッスンは再開したばかり。

当然、お豆なんて用意できていません。

 

その日は夕方レッスンを終えてからも、駆け足で銀行を回り、イベントの買い出しで街をジグザグ。

両手両肩に重たい食材を抱え、ヨロヨロの体(てい)で帰宅したのが20時。

 

今年は豆まきなしでも仕方ないな。

疲れ果てて遅い夕食を作っていると、そんな気分にもなります。

 

ところがお腹がいっぱいになったら、真逆の気持ちに駆られました。

「今年も豆まきしなきゃ!」

 

時計を見たら21時半。

日付が変わるまで2時間半。

 

あと2時間半で、冬が終わる。

あと2時間半で、春が来てしまう。

 

急がなきゃ。

コートを引っ掛け、お財布を持ち、お豆を求めていざ冬の夜へ駆け出しました。 

 

嘆きの節分

そうして買って来たお豆。

 

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生まれて初めて、一人ぼっちの豆まき。。。

 

たかが豆まきなのだけど。。。

そんな些細なことにも、母の不在を痛感してしまい。。。

 

買ってきたお豆を枡に移しながら、

涙がポロポロ。。。ポロポロ。。。

 

慰めの節分

その時です。 

「ニャ〜ン」

 

そばにミニがいました。

つぶらな瞳で僕の顔を見上げています。

 

「そうだね、一人ぼっちじゃないよね」

僕は立ち上がると、お豆を撒き始めました。

 

「鬼は〜外、福は〜内」

部屋を回り、レッスン室にベランダ、そしてもちろん母の部屋にも。

 

こうして今年も我が家は豆まきを終え、新しい春を迎える準備ができたのでした。

 

忘れ得ぬ節分 

翌日、この時のエピソードを陽だまりの友に話したところ

「それはお母さんがミニの体を借りて慰めてくれたんだよ!!!」

 

ストンと納得いきました。

そう、そういう話はよくありますね。 

 

母は魂となって、僕と一緒に豆まきしてくれたのでしょう。

こうして今年は忘れ得ぬ特別な節分になりました。

 

ところが話はこれで終わりません。

節分が明けた翌朝、思いがけないものが僕の元に届けられたのです。

(続く)

 

母と共作した歌「アイラブ平和大通り」をYouTubeにアップしました。

ピアノを弾いてるのが母です。(動画最後に肉声あり)


I LOVE 平和大通り by ミュージックハウス美美の環 松原リディア美江 ヒデキマツバラ

 

今月のイベントは予定通り開催することにしました。そのわけはいずれまた。

DJヒデキマツバラ presents カクテルパーティー
SPELLBOUND 

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【Date】2020-02-16(Sun)14:00 - 15:50
【Place】Miminowa Music Studio
【Admission】 ¥2750 (with Special Cocktails & Sweets)
【Performance】DJヒデキマツバラ、MAYUMI、SAM
【Reservation】ヒデキマツバラTwitterまでご連絡ください(2020/02/07ご予約〆切)