ヒデキマツバラの猫道Blog

愛猫家ミュージシャン、ヒデキマツバラの猫道(キャットウォーク)ブログ

8月6日午前8時15分 - Memorial Day in Hiroshima -

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水をたたえた川と青い空に包み込まれた広島平和公園をのぞむ

 

原爆の日の今日。

広島で生まれ育った者として、毎年8月6日が来ると特別な想いを抱く。

 

 

生死を分けた噂

75年前、新型爆弾が落とされるようだという噂が広島市民の間に広まった。

噂の出所は、事前にアメリカ軍が上空から撒き散らしたビラだとか。

事前に警告して降伏を促したのだろう。

 

それをただの脅しだと真に受けず、お国への忠義を尽くすため広島に残る者もいた。

僕の父母両家の祖父母たちのように、命の危険を感じて田舎へ疎開する者もいた。

 

その判断が生死を分けた。

まだほんの赤ん坊だった両親ともに、被曝を免れた。

 

我が家の習わし

だからと言って、原爆と無縁でいられるわけではない。

広島出身の知り合いや遠い親戚、誰に話を聞いても、身内の人が同じような悲劇を経験されている。

松原の親戚にも、爆心地からほんの数百メートルのところに住んでいて即死した大叔母さんがいたり。

 

8月6日は慰霊の日。

それが我が家の習わし。

 

この日はスケジュールを入れず、家で静かに過ごす。

そして原爆が投下された8時15分には、手を合わせて慰霊と平和への祈りを捧げるのだ。

 

セミの合図

今朝はずいぶん早起きで、目覚めたら午前4時だった。

シャワーを浴び、仏壇にご飯をお供えして線香を焚いたら、ネコ達とともに早めの朝食。

 

やがて朝陽がまぶしく街を照らし出すと、セミが一斉に元気よく鳴き始めた。

コロナ禍にあっても、セミの声だけは例年の8月6日通り。

そんなところに、ふと安らぎを見出したり。

 

時間になるまで、パソコンへ向かい事務的な作業に取り掛かる。

8時を回る頃まで、ずっと時計は意識していたはずだった。

でも思ったより作業に没頭していたらしい。

 

にわかに、セミの鳴き声がひときわ増した。

ハッと気づいて時計を見ると、8時13分。

 

急いで居間に移動して、平和記念式典の番組をつける。

セミが教えてくれなかったら、やり過ごすところだった。

 

マックのお祈り

「まもなく8時15分です。皆さまご起立ください」

テレビの向こうから、式典の司会者が告げる。

 

とそこへ、黒猫マックがやってきた。

ソファーにひょいと飛び乗って並ぶと、僕の顔を見上げる。

 

「マックもお祈りに来たんだね。一緒にお祈りしようか」

そう言うと、マックは目を細めて同意した。

 

かつて家族一家で手を合わせていた子供時代。

ひとりの今は、マックが家族代わりに祈ってくれる。

 

「黙祷」

テレビの向こうから平和の鐘。

そして外では平和を願うサイレンが、広島の空に響き渡った。

  

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