ヒデキマツバラの猫道Blog

ドラネコ視点の少し風変わりな猫道(キャットウォーク)ブログ

またひとつ命を看取りました 〜さよならのチロ〜 - Gone with the Dawn -

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闘病中のミニ、天に召されたチロ、入院中のマック

 

帰宅すると、一番に玄関で迎えてくれるチロ。

騎士のように家中を見回り、我が家に出入りする人を歓待してくれるチロ。

僕の母が天に召されてこの2年、片時も僕のそばを離れず、後追いしてくるチロ。

そんなチロに、天からお迎えの時がきました。

 

 

チロの闘病

思えば、ネコを5匹も飼っていながら、近年なにかと闘病やトラブル続きだったチロのことは、突出して記事にしてきました。

 

 

上記通り、チロはこの春「甲状腺機能亢進症」と診断されました。

食べるのに痩せる、そして活動量が増えて動き回る、という病気です。

 

とはいえ、痩せてること以外は、いつもどおり好奇心旺盛なチロのまま。

通院と投薬を続けながら、普段と変わらぬ日常を営んできました。

 

晩夏、少し涼しくなった頃、チロが訴えるように鳴き始めました。

検査を受けたところ、甲状腺の数値は良くなっていましたが、肝臓の数値が悪化。

それでも、処方された肝臓サプリが効いたようで、程なく安定しました。

 

チロの異変

異変が起きたのは、この前の月食の夕暮れのこと。

ネコ部屋から、チロのただならぬうめき声が聞こえてきたのです。

 

月食が終わり再び満ちてきたお月様の下、病院へ車を走らせました。

閉院も間近の時間で、看護師さんからお叱りを受けつつ、なんとか診察にこぎつけました。

検査の結果、肝臓は良くなっていましたが、今度は腎臓の数値が悪化していることが判明。

点滴を1日おきにするよう指示されました。

 

それから1週間、チロの状態は、比較的安定していました。

特に印象に残ってるのは、物音に敏感なはずのチロが、ネコ部屋に入って行く僕に気づかず、スヤスヤと安らかに寝息を立てている姿でした。

 

最後の週末

先週の金曜日でした。

ベランダで正午のひなたぼっこをしていたチロは、心地よく寝入っていました。

 

とても微笑ましい光景です。

なのに、チロの後ろ姿を見てハッとしました。

 

今まで何匹もネコを見送ってきた直感が告げたのです。

もうこれで見納めになるかもしれないと。

急いでシャッターを切りました。

 

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その日の夕方、チロは歩くのもよろけるほど、しんどそうでした。

個人的な経験から言うと、人でも動物でも、命の灯火は後ろ姿に現れます。

チロの後ろ姿は、いつもの半分ほどの細さしかありませんでした。

腰つきも、尻尾も、消えて無くなりそうなくらい細いのです。

 

週明けまでもたないかもしれない。。。

危機感を抱き、再度病院へ。

 

ところが診察台でケージから出した途端、チロはケロッとしたもの。

「いや、さっきまですごくしんどそうだったんです」と力説しても説得力に乏しく。

獣医さんは「むしろ体重はこの1週間で0.4キロ増えてますよ」

視診、聴診、触診を済ませた獣医さんから、さし迫った問題はなさそうだとの診断が下り、「心配なら1日おきだった点滴を毎日してあげてください」

 

チロとミニの2匹分、ドサリと処方された点滴パックを車に積んで帰途につきながら、思いました。

セカンドオピニオンとして、他の獣医さんに診てもらうべきかも。

 

長い一夜

翌々日の日曜、チロは朝から食欲をなくしていました。

電気毛布の上でじっとしたまま、いつものように僕の後追いをしようとしません。

 

そこで、その日レッスンと用事を済ませた僕は、チロが好んで食べそうなものを買って帰りました。

が、チロは電気毛布の上でじっとしたまま、好きな餌に目もくれません。

 

バタバタした数日間が続いて疲れていた僕は、その夜、早めの夕食をとって19時に就寝。

すると、夢の中に、何度も亡き母が出てきました。

夢の中でも僕は眠りにつこうとしていて、そんな僕の寝顔を母が覗き込んでくるのです。

 

そこでハッと目覚めました。

深夜過ぎでした。

 

ネコ部屋をのぞくと、チロがぐったり横たわっています。

時折、小さくうぉんうぉんと苦しそうに唸って、手足やお腹を痙攣させています。

 

チロの体に触れると、危険なほど体温が下がっていました。

なのに、どれほど暖房をたいても、電気毛布の上にいるチロの体温は上がってくれません。

安心感を与えようとして、手を当ててあげると、痛がります。

 

やがて、チロは自力で電気毛布を這いずり出て、部屋の隅の暗がりへ。

痙攣の度合いも激しくなり、時にはエビ反りの体勢になるほど。

週明け朝一番の診察に間に合ったとしても、獣医さんには何も手の施しようがないことは、素人目にも明らかです。

 

「チロ、苦しいね」

「チロはすごいね。よく頑張ってるね」

「チロ、ありがとね」

人でも動物でも、寿命を全うしようとしているものにかけてあげられる言葉は、あまりありません。

 

呼吸も絶え絶えで、うめき声さえかすれるチロ。

それでもチロは、一晩中そんな状態のまま、8時間も頑張りました。

そして部屋に灯していたティーキャンドルが消える頃、チロも旅立ちました。

 

チロのことでは、過去記事を読まれた方々から、チロ宛てに色々と差し入れをいただきました。

ここで改めて感謝申し上げます。

皆さんに愛されて、チロは幸せなネコでした。

 

 

◾️ヒデキマツバラオリジナル音源◾️
チベットの鳥葬からインスパイアされた哀愁のピアノバラード🦅

 

◾️ヒデキマツバラLIVE動画◾️
世界中のソフィー/ソフィアという名から生まれた哀愁トランス「ソフィー」❄️



◾️ヒデキマツバラオリジナル音源◾️
ワインを傾けながら聴いていただきたいジャズスタンダード調の「スカーレット」🍷