1月22 日。
例年、涙を流したような冷たい霧雨に見舞われます。
ところが、今年は違いました。
朝から穏やかな快晴が広がります。
大寒とは思えない小春日和。
ようやく天国で楽になれたのかな。
そんな気がした、母の命日。
ピアノレッスンへの移動前に、空き時間が30分ありました。
遺影の前で、母好みのピアノ曲を奏でます。
母が晩年、心酔していたサン=サーンス「白鳥」
弾き始めたら、家中に何かがみなぎるのを感じました。
いきなり、手近の包装紙がカサコソと音を立てて、大きく上下に揺れ始めます。
それはまるで、チアガールが頭上で大きく両手を振るようなウェーブ。
エアコンの風に煽(あお)られているようには見えるけれど。
きっと母からの合図。
命日には、故人との距離が縮まるのだと言います。
この日は終日、家の中が不思議な気配に満ちていました。
自室にいると、書棚の向こうからチリンと1回だけベルの音。
触わってないのに、ベッドの上に重ねた洋服ハンガーがカチャカチャ触れ合う音。
そういえば、生前、母がよく言っていたことがあります。
先立った父に関して「今どうして欲しがっているか、何となくわかるのよ」と。
「お墓参りに来て欲しい」とか「父が遺したものを点検しなさい」とか。
母がその通りにすると、そこで思いがけない発見があるのです。
僕も、天国の母がどうして欲しいのか、何となくわかります。
ピアノを奏でて欲しいとか、家中の明かりをずっと灯して欲しいとか。
テレパシーのように伝わってくるのではなく、不思議とそうしたい衝動に駆られるのです。
この世の人でなくなっても、五感を超えたところで、ずっと繋がっているんだ。
そう実感しながら迎えた三回忌の花道。
いろいろな方々からお供えをいただきました。
好美さん、寿恵さん、真由美さん、エセニヤさん、そしてSAMさん、どうもありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。
ちなみにこのブログ記事、上記までの文章を5〜6度は書き直しましたが、不思議と必ず777文字に収まってしまいます。
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