ヒデキマツバラの猫道Blog

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作詞がスイスイ進む極意 〜甘く切ないラブバラード『Top Priority』制作秘話 (中編)〜 - Make It Real -

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ヒデキマツバラLIVE「FALL IN LOVE」公演より

 

前回記事の続きです。

作詞やストーリー作りの極意も、惜しげなく公開しちゃいます!

 

●前回記事

 

 

もし今 僕が息絶えたら


歌詞字幕付き(動画内の下部にある⚙ボタン左のキーボード型ボタンをオンにして下さい)

 

TOP PRIORITY

作詞・作曲・編曲/ヒデキマツバラ

 

さっき愛したばかりなのに

もう君が恋しくて

声を聴かせて ただ一言

ねぇ 僕しか見えぬと

 

明日なんていらない

今さえあれば

一秒ごとに 感じている

君の鼓動 加速していく

 

ルージュぬぐった素顔が好きさ

またガキみたいと笑われるかな

 

僕の一番大事な人

そう この胸の中で

愛のささやき 奏でていて

ねぇ 嘘でもいいから

 

逢瀬を重ねても 君には遠く

触れたぐらいじゃ

叶えられぬ 深い愛

ごまかすように

 

人目かまわず キスしてはハグ

またやりすぎだと叱られるかな

 

もし今 僕が息絶えたら

ねぇ 泣いてくれるかな

ジョーク交じりに 肩を抱けば

あぁ 切なさこぼれる

 

君の一番大事な人

そう 僕ではなくても

気持ちが走る 愚かなまで

もう止められぬハート

 

空想と創作の決定的な違い

この歌は、僕の実体験でもなければ、主人公モデル村上くんの実体験でもありません。

誰の体験でもないフィクションです。

 

では、空想の産物なのでしょうか?

いえ、違います。

 

専門的な言い方をすれば、空想には「客観的事実」「客観的視点」が欠如しています。

作る側のご都合主義でできたものには、他人の共感を呼んで感情移入させるパワーがありません。

 

小説、映画、漫画等、数多くの作り話が、多くの笑いや涙、感動を呼び起こしてきました。

それら「創作」と呼ばれるものは、単なる空想とどこが違うのでしょう?

それは「リアリティー」です。

 

作り話にリアリティーを持たせること。

それが作家、映画監督、漫画家、そしてクリエイターの果たす一番肝心なお仕事なのです。

 

作詞ノートはリアリティーが生まれる現場

僕が「現場」と呼べる場所は、作詞ノートです。

そこは普段から、気づきだったり、心に引っかかったキーワードを書き溜めてます。

そして村上くんのような人物が現れたり、テレビや書籍等で印象的・象徴的なものを目や耳にすると、化学反応を起こし始めるのです。

 

作詞する際、何をおいても大切なもの。

まずは、主人公!

そして、設定!

 

それが固まってなければ、カレーのないカレーライスみたいなもの^^

なんの味わいもありませんよ(笑)

 

主人公と設定さえ固まれば、おのずと物語が形作られていきます。

そして、なんと!

作詞ノートの中で、主人公たちが勝手に動き始めるのです!

 

そんな主人公たちの動きを、僕はひたすら追いかけます。

主人公たちの声に耳を傾け、その心に触れ、彼らの気持ちを嗅ぎ分け、同じ思いを噛みしめます。

そうすることで、歌が形作られていくのです。

 

動き出したラブストーリー

では、実例をご紹介しましょう。

「トップ・プライオリティー」では、段落に沿ってショートストーリーがあります。

 

例えば「人目かまわず キスしてはハグ」の箇所。

主人公2人は、僕にこんな劇的なシーンを見せてくれました。

 

情事を済ませ、ホテルから出てくる男女。

ネオンライトの下、何も言葉は交わさない。

人目を忍び、年上女性は歩みを早めながらタクシー乗り場へ向かう。

そんな彼女の背中を見つめながら、後を追う彼の胸中は揺れていた。

いつまで彼女とこんな関係を続けていられるのか。

もしかしたら、今夜これっきりってことも。。。

1人タクシーに乗ろうとする彼女。

彼は駆け寄り、その手を掴む。

「あっ」

腕の中へ引き寄せた彼女に、乱暴なキス。

「ちょっ、こんなところで」

彼の腕を振りほどき、車に乗り込む彼女。

走り去るタクシー。

立ち尽くす彼。

 

このシーンが14文字の歌詞、つまり「人目かまわず キスしてはハグ」に結実しました。

 

そんな場面があって、次の密会シーンで彼は

「もし今 僕が息絶えたら ねぇ 泣いてくれるかな」

と切実ながら、でも深刻ぶらずジョーク交じりに切り出す、

そして彼女を抱きながら、彼女に見られないよう涙をこぼす、という流れになります。

 

ソングライティングのDNA

なんとなく作品を作り始めることはありません。

主人公と舞台設定が決まれば、物語が動き始めます。

シナリオなしで動き出す主人公たちを、僕は必死で追いかけながら、五感を総動員します。

 

五感とは<視覚><聴覚><触覚><嗅覚><味覚>のこと。

前述した文章に当てはめていくと、

主人公たちの動きを追いかけ <視覚>

主人公たちの声に耳をすませ <聴覚>

主人公たちの心に触れ <触覚>

主人公たちの気持ちを嗅ぎ分け <嗅覚>

主人公たちと同じ思いを噛みしめる <味覚>

のです。

 

すると、歌に必要なワードやメロディーが、どんどん引き寄せられてきます。

まるで、DNAが肉体に必要なパーツを全部集めてきてくれるように。

(続く)

 

 

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バレンタイン目前❤️ 年上女性への甘く切ないラブバラード『トップ・プライオリティー


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