新たにライブ動画を公開しました。
僕の母、リディア美江が晩年手がけたミュージカル「音楽名曲物語」（原作･脚本／松原リディア美江）からのワンシーンです。
白い道 〜「四季」冬〜
作詞／海野洋司、作曲／ビバルディ、編曲／ヒデキマツバラ
どこまでも 白い
ひとりの 雪の道
遠い国の母さん 今日も
お話を聞いてください
あれから もう３年過ぎ
この道に また白い雪
サラサラ 鳴ります
北国の冬は
きびしく つらいけど
母さんと 歩いた道は
あたたかい思い出だけ
レンゲの春 トンボの秋
忘れません 声を合わせ
歌ったあの歌
明日も この道
歩きます ひとりで
母さんが 歩いたように
風の中も 負けないで
いつか 春の風が吹けば
歌いましょう あの日の歌
ひとり この道で
この歌はヴィヴァルディ「四季」の「冬(第２楽章)」に歌詞をつけたもので、かつてNHK「みんなのうた」で放送されました。
歌の内容は、３年前に亡くなった母を偲びながら、きびしい北国暮らしの青年がひとりで思い出の雪道をたどっていく、というもの。
この詩情豊かな歌は、母のお気に入りでした。
音楽スタジオ「ミュージック美美の環」創業者である母は、よくコンサート公演やグループレッスンなどで「白い道」を取り上げ、レッスン生の子たちと歌ったものです。
僕も子供時代から大好きな歌で、歌うたびに切なくも胸あたたまる歌詞に感動したものでした。
2020年の大寒、最愛の母リディア美江が亡くなり、僕が２代目として音楽スタジオを継ぎました。
あれから３度目の大寒が巡ってきて、この「白い道」ほど僕の気持ちを代弁しているものはありません。
母は僕に音楽を授けてくれました。
母よ、あなたの導きがなければ、ヒデキマツバラというミュージシャンは存在しません。
母は50年もの間、レッスンに通ってくる何千人もの子供たちに、音楽を通じて大きな夢を与えてくれました。
そして市民文化の向上のために身を捧げ、組織に頼らず個人で国際文化交流に力を尽くしました。
あなたがどれほどこの星の上に愛情と豊かさをもたらしたか、あなたに関わった人なら誰でも知っています。
あなたは僕たちの中に、忘れ得ぬものを残しました。
年月では決して色褪せない、美しい思い出を。
あなたが作ってくれた道は、表通りの舗装された車道とは違いました。
野の花が咲いて、そよ風が笑いかけてくる、手作りの小さな小さな道でした。
その小さな道は見過ごされやすいところにあって、でも夢さえ信じていれば見つけることができました。
その道を一緒に歩んでこられた僕らは、どんなに幸せだったことでしょう。
あなたに感謝を込めてこの「白い道」を贈ります。
以下は、海外のYouTubeユーザー向けに、歌詞を英訳したものです。
THE WHITE PATH
The path with nothing but white snow
The path with no one but me
Dear Mom in distant Heaven
Let me tell you what I'm thinking about
It's been three years since you were gone
It begins to snow falling down gently on this path again
Sounds close to you
So cold and cruel in northern land in wintertime
But the memories that I walked along the path with you
Always keep me warm
Lotus flowers in spring, dragonfies in autumn
I'll never forget the song singing with you, Mom
I'm gonna walk along this path on my own
I'm gonna break through the hard times as you did
Someday when I feel the spring breeze
I'm gonna sing the song again
All alone in this path
英訳／ヒデキマツバラ
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