スタミナ切れ
それは桜も散った頃のこと。
キャットウォークレーベルの初ライブに向けて、音楽制作とリハーサルにかかりきりでした。
ところで、リハーサルスタジオとして使っていた市民文化センターには、ちっちゃなCDプレイヤーしかありません^^;
そこで本番さながらの大音響で臨場感たっぷりに稽古すべく、車を出して美美の環スタジオから音響機材一式を持ち込みました。
パワードミキサーにパワードアンプなどなど、名前からして重そうなものばかり^^;
見た目の華やかさに反して、演奏活動は意外と体育会系仕事なんです(笑)
表現力だけでなく、体力と気力がなければ務まりません^^
リハーサル日が来るたびに、さながら音響機材のお引越しです。
仕事を終えたら、機材搬出 → リハスタジオで組み立て → 歌い踊り稽古すること数時間 → 機材撤収
これで疲れないわけがありませんよね^^;
リハ最終日のこと。
撤収した機材を車で運搬し、美美の環スタジオで積み下ろす頃には21時を回っていました。
疲労困憊。。。
留守番していたネコたちに「ただいま」と声をかける気力さえ残っていません。
その上、ものすごくお腹も空いていました。
ベッドに直行するよりも、まずは空腹を満たしたい。
再びお財布とキーを手に、近所のスーパーへ。
いや、その前にネコたちにご飯あげなきゃね^^;
おいしい手料理を作る秘訣
毎日、自炊しています。
これは音楽活動と家事を両立していた母親譲りでしょうね^^
「一人暮らしなのにマメに栄養管理できて偉いねぇ」なんて言われますが。
栄養管理しつつ、食べるならおいしいものを食べたいので自炊してるのです^^
おいしい手料理を作る秘訣は、とてもシンプル。
天然素材を使って料理すること。
たとえば、お水は浄水、調味料は天然の塩や黒胡椒、油は上質なオリーブオイルを使います。
丁寧にお出汁(ダシ)をとるのもポイント。
そうやってひと手間かけることで旨味が増すのが、自炊ライフの醍醐味ですね。
食べ物ではない物体から食品を作る産業
スーパーやコンビニ、ファストフード店やそれに準じた外食産業は、華やかで楽しいイメージを打ち出すことに成功しています。
ほら、この食事をとれば、あなたのお腹もハッピーよ!と言わんばかりに。
ところがその実態ときたら。。。
使用される油は、廃油業者から仕入れた酸化しきった油。
着色料の原料は、なんと寄生虫の糞!
お弁当、お惣菜、お菓子、各種ペットボトル飲料、いずれも食品でないものから作られた商品ばかり。。。
こういうものを日常的に体に取り入れていたら、健康や若さを損なうのも当然ですよね。
そうと知りつつも、最終リハを終えたその夜の僕には「さぁ、これからご飯を炊いておかずを作ろう!」なんて余力はありません。
疲労感、虚脱感、空腹感。。。
無気力で惨めな状態でした。
酸化しきった油だろうが、得体の知れない虫の糞だろうが、食らってやる。
ヨタヨタした足取りで、スーパーのお惣菜売り場に向かったのでした。
左脳で食材ショッピング
食材の買い出しでは、左脳(=分析脳)をフルに活用させることになります。
・冷蔵庫に残っている食材
・これから作ろうとする料理に必要な食材
・その日の売り場にあるお得な食材
これらを勘案しながら、生産地やコストパフォーマンス等、あらゆる要素を踏まえた上で、食材を選ぶわけです。
右脳(=感覚脳)を使う事もあるでしょう。
みずみずしい色彩や、熟した香りに惹かれたり。
時には手を使って、スイカをノックしたり、アボカドの熟れ具合を確認したり。
五感(視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚)を駆使しながら、右脳から左脳に提案しているのですね^^
左脳だけで選んだお惣菜
さて、その夜の僕は、歩くのもやっとの状態。
左脳を働かせる気力さえありませんでしたから。
ひたすらフィーリングで「あ、これ」と思ったものを、片っ端から買い物かごに入れていきました。
こうして右脳だけで選んだお惣菜3種を、食卓に並べたところ、、、
笑う気力さえなかったはずなのに、目の前の戦利品を見た途端、声をあげて大笑いしてしました。
・大葉香る えび天むすび
・海老とアボカドのタルタルチーズ焼き
・小エビとタラの芽のつまみ揚げ
そう、どれもエビのお惣菜だったのです!
そんなつもりは全然なかったのに。
どうしてこんなことになったの!? 我が目を疑いました。
よく見れば「エビ」の表記が異なってるんですね。
「えび」「海老」「エビ」
ひらがな、漢字、カタカナ。
普通なら左脳によって、どれも「エビ」だと認識できます。
けど右脳では、3つとも違う食材だと認識したんですねぇ(笑)
興味深い発見でした^^
甲殻類恐怖症
ちなみに僕は、特にエビ好きというわけでもありません。
味はまだしも、甲殻類特有のグロテスクな外観が苦手でして^^;
結婚披露宴などおめでたい席で、伊勢エビの顔とご対面する羽目になると、どんな罰ゲームかと思うくらい^^;
カナダ滞在中、目の前のお皿に極上の巨大ロブスターが3匹も出てきた時なんて!!!!!
たとえ小さなむきエビであっても、あのプリプリした食感がいけません^^;
なぜ人はエビを好んで食べるのに、イモムシを食べるのは嫌悪するのだろう?
どちらも同じ形状で、同じ食感のような気がするのですけど^^;
そんなわけで、いくら小さいエビであっても、僕は直に手を触れることができません(T_T)
そんな僕のために、母は見事にエビを調理して、おいしい料理を作ってくれました。
そんな母が病に倒れ、帰らぬ人となって以来、僕の食卓からエビが消えたのです。
右脳ではわかっていたんですね。
エビの栄養分が自分に足りていないこと。
そういえば鮮魚コーナーに行くたび、買う気はないのに、なぜかエビのそばで立ち止まることが多かった僕^^;
体が要求していたんでしょうね。
自分の体に、これほどエビが不足していたのか。
それを痛感したその夜以来、下処理してあるものを買ってきては、どうにかレパートリーにエビ料理が加わるようになりました^^
親のありがたみ
もうひとつ、その夜のお惣菜で特筆すべきは、タラの芽の天ぷら。
春先になれば必ず、母が山菜の天ぷらを作ってくれてました。
揚げたての美味しかったこと。
そのノスタルジックな郷愁感から、右脳がそのお惣菜を選んだのでしょう^^
一人暮らしになったら、わざわざ山菜を買ってきて揚げてまで食べよう、なんて発想すらありません。
先週もお惣菜コーナーで見つけてしまい、酸化油まみれだとわかっていながら買い物かごに入れてしまうくらい、山菜好きでして^^;
ずっと親と同居されている方々のお話を聞いてみると、ほぼ100%の方が親の存在を疎(うと)ましく思っています(笑)
距離が近すぎて、相手の嫌な面にばかり目がいきやすいんですよね。
そんな方々でも、いずお母様がいなくなれば気づかされるでしょう。
母親が作ってくれていたからこそ、当たり前のように食べられていた料理が色々あったことを!
ありきたりな山菜料理ひとつ取っても、今の僕には親のありがたみをしみじみ感じずにいられません。
親の子であるというだけで、僕らは愛情あふれる家庭の味に恵まれていたんですね。
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