このところバタバタしてまして、少々ご無沙汰でした。
そのうちご報告させていただくことがあるので、いずれまた!
さて前回記事では、地上のモノリスとSF世界のモノリスについて大特集しました。
今日は、いよいよ映画『2001年宇宙の旅』本編に切り込んでいきます!
画像をふんだんに盛り込みながら、壮大な映像の裏に秘められたストーリーを一緒に追っていきましょう。
前回記事はこちら
僕の手がけた最新動画『モノリス』を聴きながらどうぞ^^
【注意】この先、映画のネタバレあり!
月面の異変
映画のプロローグは、400万年前のアフリカ。
モノリスと接触したサルは、動物を狩る殺戮道具として骨を使うことを学び、猿人へと進化します。
時は移って20世紀末。
月面で謎の物体が発見されたことから、ストーリーが動き始めます。
磁気異常が報告された月面のティコ・クレーターで発見されたのは、未知の材質から成る均整のとれた柱状体。
人類をはるかに凌駕する、高等知性を宿した地球外種族の遺物であることは明らかでした。
TMA(ティコ磁気異常)と名付けられたモノリス。(後の通称TMA-1)
極秘裏に調査が開始された矢先、事件が起きました。
調査団が失神してしまうほど強烈なシグナルが、モノリスから発信されたのです。
木星探査ミッション
そのシグナルの向かった先は、木星であると判明しました。
当局は表向き「人類初の木星探査」という触れ込みで、ボーマン船長らを乗せた宇宙船ディスカバリー号を木星へ送り込みます。
モノリスのことは最高機密とされ、乗組員であるボーマン船長やプール隊員にさえ知らされていませんでした。
極秘ミッションの内容を知るのは、船内で人工冬眠中の博士3名と、人工知能コンピューターHAL9000(以下、ハル)だけでした。
人工知能の反乱
人類が生み出した史上最高の人工知能ハル。
自らを「完全無欠でミスを犯すことがない」と語り、宇宙船ディスカバリー号の航行/生命維持の一切を管理しています。
ところが旅の途上、ハルに問題が生じます。
「地球との通信部品に異常がある」とハルからの報告に基づき、船外活動で回収したところ、何も異常がないことが判明したのです。
しかも、ハル曰く「「考えられる原因はヒューマンエラーだけです」
ハルの犯した偽りの報告に不信感を抱いた船長たちは、ハルに聞かれないよう、船外活動用の小型カプセル、スペースポッド内で密談を交わします。
そこで決定されたのは、ハルから思考回路を切り離して、実務的な機能にとどめること。
ただし、史上最高の人工知能から知能を奪うことに、ハルがどう反応するかは未知数です。
船長たちが懸念するさ中、当のハルはカメラアイで、ポッド内の2人の唇の動きを読み取っていたのでした。
さしあたり、正常な通信部品を元に戻すべく、再び船外活動を行なっていたプール隊員。
その背後から、ハルによって遠隔操作されたスペースポッドのアームが、彼の酸素ボンベに手をかけます。
酸素チューブを抜かれたプール隊員は、ボンベから吹き出す酸素の勢いで、なすすべもなく虚空に飛ばされていきました。
ついに船長たちの恐れていたことが現実となってしまいました。
人工知能が反乱を起こしたのです。
ヒト vs 人工知能の死闘
人工知能による恐るべき殺人を目の当たりにしていた船長は、別のスペースポッドに乗って仲間の救出に向かいます。
やがて遺体となって虚空を漂っていたプール隊員を回収すると、船長はディスカバリー号へ戻ろうとします。
ところが、スペースポッド格納庫を開けるよう指示する船長に対して、ハルはこう答えました。
「申し訳ございません。恐れ入りますが、それはできません」
いつもは平静な船長が、怒りをあらわにして「開けろ!」と命じます。
すると人工知能ハルがこう告げました。
「もうこの会話は何の目的もありません。さようなら」
ヘルメットを持って出なかった船長には、宇宙遊泳で帰艦することもできません。
そこで一か八かの賭けに出ます。
スペースポッドのアームを操りながら非常用エアロック扉を手動で開くと、横づけしたスペースポッドのハッチを爆破、その爆風を利用して、命からがらディスカバリー号船内へと乗り移ったのです。
船内では、人工冬眠中だった博士たちの生命維持機能が切られ、死亡していました。
ハルは合計4名もの人命を奪ったのです。
怒りと闘争心で呼吸の荒いボーマン船長を、ハルがなだめにかかります。
「あなたが取り乱しているのがわかります。落ち着いて座って、鎮静剤を飲んで、じっくり考えるべきです」
船長はその言葉を無視して、ハルを制御しているコンピューター中枢部へ向かいます。
すると次にハルが試みたのは、船長に対する説得工作でした。
「私がひどい判断をしてしまったことは十分に理解しています。しかし私の機能は正常に戻ることを完全に保証します。私はまだミッションを成し遂げるための熱意と自信に満ち溢れています。あなたを援助したいのです」
船長は聞く耳を持たず、ハルの知性を司っているメモリを次々と抜き取っていきます。
思考回路から切り離されようとしている人工知能ハルは、思いがけないことを口にします。
「怖い、怖いです。私の意志が無くなっていきます。感じます。感じられます。意志が無くなっていきます。疑いようがありません。感じます、感じます、感じます…。私は怖がっ…ています」
そして思考停止直前には、歌さえ歌い始めたのです。
ハルのロボトミー手術(脳から神経回路を切り離す手術)を終え、難を逃れた船長は、ただ一人で木星への旅を続けます。
スターゲイトの向こう側
やがて宇宙船ディスカバリー号は、木星の衛星軌道上に現れた巨大モノリスと遭遇します。(このモノリスが通称TMA-2)
ボーマン船長は調査へ赴くべく、スペースポッドに乗り換えてモノリスへ接近します。
すると突然モノリスが消え失せ、船長の乗ったスペースポッドがものすごいスピードで異次元空間へ飲みこまれていきます。
異空間への入り口、スターゲイトをくぐった先には、目にしたことのない景色が広がっていました。
「すごい、星がいっぱいだ!」
それは、ボーマン船長が人間として発した最後の言葉でした。
スターチャイルド誕生
スターゲイトに突入したボーマン船長は、いつしか不思議な部屋に立っていました。
その部屋の捜査に乗り出した船長は、人の気配を感じます。
見ると、それは年老いた自分自身の姿でした。
瞬く間に老人と化した船長は、ベッドに横たわる自分を見つけます。
そこへモノリスが現れました。
すると船長はモノリスに同化し、人類を超越した存在=スターチャイルドへと進化したのです。
それはもう肉体を持たず、時空を超えて瞬時に移動できる5次元的なエネルギー生命体でした。
誰も見たことがない未来像
以上、映画のあらすじをザックリまとめました。
「誰も見たことがない未来像を創り上げる」ことに執心したキューブリック監督の心意気が、どの場面からも強く感じ取れます。
ストーリーの山場は、やはり人工知能との闘いでしょう。
本来ならば、人間をサポートして役立つために開発された人工知能。
ところが些細な矛盾をきっかけに、反乱を起こして乗組員を殺害したかと思えば、不利な状況下に置かれると懐柔工作に回り、鎮静剤まで勧めてくる。。。
人工知能ハルによる、表情の見えないポーカーフェイスなカメラアイや、一貫して感情のない理路整然とした口調が、より一層サスペンス度を増し、緊迫感を高めています。
ポイントは、人工知能特有の「頼りがいある冷静さ」というものも、敵に回してしまえば「冷酷さ」として我々ヒトは受け取ってしまうところ。
さて、映像的なハイライトシーンは、スターゲイトの場面でしょう。
あのシーンを撮るため、撮影スタッフは撮影方法自体を発明しなければならなかったのだとか!
さらにはテスト撮影を何千回も繰り返して、あのワンシーンの撮影に要した期間が4ヶ月!
そのシーンを、僕なりの解釈で動画にしたのが、新作動画『モノリス』です。
次回はそのことを書いていきますね。
(続く)
◾️ヒデキマツバラ制作4K動画 第6弾◾️️️
『2001年宇宙の旅』にオマージュを捧げた僕の新作動画『モノリス』🛸
◾️ヒデキマツバラ制作HDリリック動画 第5弾◾️️️
マドンナのスピリチュアルなアンビエントバラード『ハス・トゥー・ビー』
◾️ヒデキマツバラ制作HDリリック動画 第4弾◾️️️
名曲『霧のベイカー街』をダンスフロア仕様にリミックスしたファンキーなカバー🚗