ロンドンのベイカー街と言えば、コナン・ドイルの名作小説「シャーロック・ホームズ」で探偵事務所の所在地になった街としてあまりにも有名ですよね。
今日ご紹介するのは、邦題「霧のベイカー街」として知られた名曲のダンスカバーです。
僕の作ったリリックビデオ共々ご鑑賞ください^^
歌詞/対訳
BAKER STREET 〜霧のベイカー街〜
by FIERCE COLLECTIVE feat. PEYTON & LADY V
Windin' your way down on Baker Street
Light in your head and dead on your feet
Well another crazy day, you'll drink the night away
And forget about everything
This city desert makes you feel so cold
It's got so many people but it's got no soul
And it's taking you so long to find out you were wrong
When you thought it held everything
(You) used to think that it was so easy
(You) used to say that it was so easy
(But) you're tryin', you're tryin' now
Another year and then you'll be happy
Just one more year and then you'll be happy
But you're cryin', you're cryin' now
Way down the street there's a light in his places
He opens the door he's got that look on his face
And he asks you where you've been
You tell him who you've seen and you talk about anything
He's got this dream about buyin' some land
He's gonna give up the booze and the one night stand(s)
And then he'll settle down in a quiet little town
And forget about everything
But you know he'll always keep movin'
You know he's never gonna stop movin'
'Cause he's rollin', he's the rollin' stone
And when you wake up, it's a new mornin'
The sun is shinin', it's a new mornin'
You're goin', you're goin' home
*( )内は原詞が省かれて歌われている箇所です。
君は ベイカー街へと下る道を曲がる
気分は明るくても 足取りはクタクタ
あぁ 今日もまたひどい1日だった
今夜も君は 夜通し飲み続けて
何もかも忘れようとするのだろう
この都会砂漠で 身も心も凍らせてる君
あふれ返る人波は みんな魂の抜け殻なのさ
時間がかかるだろうよ 君自身が間違っていたとわかるまではね
何もかも手に入れようと思い込んでいたなんて
「全然平気だから」君はそう思っていたね
「全然平気だから」君はそう言ってたね
でも君は耐えてばかりいるじゃないか
もう1年経てば 幸せになれるというのかい?
あと1年経てば 幸せになれるというのかい?
でも君は泣いてばかりいるじゃないか
道を下れば あいつの家に明かりが灯ってる
ドアを開けたあいつは すごい形相をして
君に問い詰める「どこに行ってたんだ!?」
君は洗いざらい答える 誰と会い 何を話したかまで
あいつときたら どこかに土地を購入する夢に取り憑かれてるのさ
あいつは飲酒癖や行きずりの関係を改め
静かな小さな街にでも 腰を落ち着けて
何もかも忘れようとしている
でも君だってご承知だろ あいつは転々しまくるだろうさ
ひとところに落ち着くってことを知らない奴さ
一旦走り出したら 止まらない奴だから
やがて君が目を覚ませば 新しい朝が明けてる
陽が輝き 新しい朝の到来を告げると
君は街を引き払って 生まれ故郷に戻るのさ
対訳/ヒデキマツバラ
レーベル買いの賜物
Hed Kandi(ヘド・カンディ)やFierce Angel(フィアース・エンジェル)というレーベル名を聞いてピンときた方々!
そう、このダンスカバー、あのオシャレ系クラブDJの第一人者マーク・ドイルが手掛けたものなのです!
マーク・ドイルが創設したHed KandiやFierce Angelからのリリース作品を追いかけていれば、必ずオシャレで最先端な第一級ファンキーハウスに出会える!
そうやって抜け目なく新譜チェックしながらレーベル買いしてきたUKダンスミュージックファンは、僕だけではありますまい^^
だからこそ、この傑作カバー曲と出会うことができました。
本作が収録されたのは、マーク・ドイルがコンパイルしたダンスコンピCD「Fierce Angel presents The Fierce Collective」(2013年作品)
男性ボーカリストのペイトン、女性サックス奏者レディー・ヴィー両名がフューチャーされ、サウンドプロデュースを手掛けたベースモンキーズによって艶やかでアッパーなフロア仕様のファンキー系ピアノハウスへと昇華されています。
あまりにも好き過ぎて、リリースからこの10年、飽きることなくひたすら聞き続けてきました^^
リリース当時、本作は特にシングルカットされたわけでもなく、あくまでコンピCDの1曲に過ぎませんでした。
だから「霧のベイカー街」原曲ファンでさえ、このダンスカバーの存在を知らない方々が多いはず。
そこで、この傑作カバーを広く知ってもらいたいなぁと思い、リリックビデオ第4弾として動画制作に取り組んだのでした。
都会砂漠の敗者たち
シャーロック・ホームズゆかりの地であるベイカー街。
古くから高級住宅街として知られ、現在は商業施設が立ち並んでいます。
そんな都会に憧れて野望を抱きつつ、奮闘しながら夢破れた者の姿を、第三者的な視点から描いたのが「霧のベイカー街」
華やかながらも、報われない都市生活でのやるせない閉塞感。
その光と陰を、艶やかながらも切ないサックスの音色がかきたてます。
歌の最後では、敗者のように生まれ故郷へ帰る主人公のイメージが歌われています。
それがこのリリックビデオを制作する上でのコンセプトになりました。
夕陽を背に、傷心を抱えながら都会から逃亡しようとする者の姿を描こうと。
動画制作で特にこだわったのは、冒頭のイントロです。
映画とか海外ドラマのようなドラマティックな作りにしたくて、映像を徐々にフェードインさせたり、参加アーティスト達のクレジット演出を入れたり。
7分半あるサウンドをフルに使いたかったんですが、最初の1分半をやむなくカットしたのも、動画冒頭を効果的に見せるためでした。
交通ルールを無視した動画
この動画のとある部分は、見る人たちの出生国によって見方が分かれるでしょう。
それは日本人には当たり前の感覚なのだけど、多くの外国人にとって違和感を覚えること。
何だかわかりますか?
車両が左側通行なんです!
なのでアメリカやヨーロッパ、中国などの人々が目にすれば、交通ルールを無視しているかのように映るかもしれませんね^^
でもベイカー街のあるイギリスは左側通行だから、これでOKというわけ!
そもそも右ハンドル左側通行というコンセプト自体、イギリス発祥ですからね。
コモンウェルス(=かつて大英帝国の領土)であるオーストラリア、インド、南アフリカ等も同様です。
そんなことよりはるかに壮大な間違いが、この動画の中にあります。
ベイカー街に限らず、ロンドンという大都市自体、こんな壮大で超近代的な街並みじゃないわけでして^^
この動画のロケーションは、ちょうどドバイを思わせますね。
ま、大都会に憧れる者の都会像を形にしたらこうなったとお考えください^^
1位を逃した名曲とカバー曲
Gerry Rafferty ジェリー・ラファティー
「霧のベイカー街」はAOR(大人向けロック)の歴史的名盤として、今でも世界中で愛聴され続けています。
そのオリジナルを歌っているのが、スコットランド出身のシンガーソングライター、ジェリー・ラファティーです。
1978年にリリースされ、全英では3位、全米では2位のミリオンセラーという大成功を収めています。
「1位を逃した名曲」が代名詞ですが、カナダやオーストラリア、南アフリカではしっかりNo1になりました。
この都会的でありながら味わい深いAORサウンドは、日本でもいまだに根強い人気を誇っています。
Undercover アンダーカバー
1992年、UK出身のポップバンド、アンダーカバーによってダンスカバーされました。
カイリー・ミノーグら大スターが続々と離脱していったイギリス随一のダンスポップレーベルPWLからリリースされ、同レーベルにとって起死回生となる全英2位に輝きました。
これでイギリス本国ではオリジナルのジェリー・ラファティーを超えるヒットになったわけですが、またしても「1位を逃した名曲」であることが運命づけられているかのような結果ですね。
余談ですが、このアンダーカバーのメンバーとしてキーボード/編曲を担当していたスティーブ・マックは、今や押しも押されぬ世界的な作曲家/プロデューサーとして大活躍中。
エド・シーラン、カルヴァン・ハリス、ザ・サタデイズ、レオナ・ルイス、ワン・ダイレクション、BTSなどなど、世界でも最上位クラスの実力派トップアーティスト達に楽曲提供をしており、2018年にはイギリス版グラミー賞のブリットアワードにて国内最高のプロデューサーとして受賞しました!
アーティスト プロフ
Mark Doyle マーク・ドイル
UK出身のレジェンドDJ/プロデューサー/レーベルオーナー
1999年、イギリスのジャズ系FMラジオ局にてレーベルHed Kandi(ヘド・カンディ)を創設、そのファンキーかつジャジーなオシャレ系サウンドでクラブフィールドを超えた国民的な人気を博す。
ダンスコンピ専門レーベルとして数々のコンピCDをヒット、同名のクラブイベントと連動させてグローバルな人気ブランドへと発展させ、一躍シーンのカリスマに。
2005年、Hed KandiをUKダンスミュージック最大手レーベルMinistry of Soundに売却後、新レーベルFierce Angel(フィアース・エンジェル)を設立、Hed Kandi同様クラブイベントと連動してブランディングさせながら華やかなダンスミュージックを世に送り出している。
Fierce Collective フィアース・コレクティブ
マーク・ドイルがコンピレーションCD用に名付けたプロジェクト名。
訳すと「凄まじい共同体」という意味^^
Peyton ペイトン
本名:クリストファー・ペイトン
幼少より教会で身につけたソウル唱法を武器に、2004年、移住したイギリスでHed Kandiよりデビュー。
ソロアルバムを2作発表するほか、人気プロデューサーEric Kupper(エリック・カッパー)やFreemasons(フリーメイソンズ)を始め多数のダンスミュージック作品にボーカルを提供。
そのソウルフルな歌声は、2016年に挑んだイギリス人気オーディション番組「X-Factor」にて辛口審査員サイモン・カウウェルから「ピュアな一級品、素晴らしいとしか言いようがない」と大絶賛される。
Lady V レディー・ヴィー
UK出身のサックス奏者
本名:ルイーズ・エヴァンズ
17歳からハウスミュージックシーンで演奏活動をスタート。
ポール・マッカートニーが設立した高等音楽教育機関リヴァプール・インスティテュート・フォー・パフォーミング・アーツを卒業後、世界各国の音楽イベントに出演。
Fierce Angelの一員としてライブツアーに同行するほか、同レーベルから初ソロ作品の録音を打診されている模様。
Bassmonkeys ベースモンキーズ
UK出身のデイル・アスキュー/ダニー・ボンド/マイク・チェネリーによって結成されたプロデューサートリオ。
Fierce Angelファミリーとして同レーベルから作品をリリースする他、数々のリミックスを手がけており、キャッチーかつ艶やかな音作りが人気を博す。
近年では各自ソロ活動に専念している模様。
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