楽しい時間は早く流れる
先日、ピアノの体験レッスンを受けられた方が、体験後に言われた。
「え、もう30分経ったんですか? あっという間でした」
聞いた話だと他のピアノ講師の体験レッスンも受けられたようで、どうやら軍配は僕に上がったようだ♪
「30分は短いから、60分レッスンを検討してみます」と帰っていかれた。
教えることの魅力とは
教えることは、クリエイティブだ。
教えることには、単なる仕事やビジネスを超えた魅力がある。
教え子の創造性や人生に関われること。
音楽クラスでは、教え子の演奏表現力や作曲能力が開花されていくのを見ること。
マインドフルネスクラスでは、現実的な問題でパンパンだった教え子を今この瞬間の幸福感に立ち返らせられること。
誰にも真似できない指導法
僕の指導法は独特だ。
他の講師の方々には──企業に属してカリキュラム通り教えなければいけない方々は特に──ちょっと真似できないだろう。
教科書通り「指導」しているのではなく、直感的なインスピレーションで指導しながら、それを教え子と「共有」しているのだ。
教えていると、青天霹靂のイナズマみたいにアイディアがひらめく。
それが火山の噴火みたいにあふれて、僕の口から言葉となってほとばしる。
まるで踊りながら教えているかのような、クリエイティブかつパワフルな体験だ。
同じアイディアは二度とやってこない。
ひらめきの泉のように、産みたての卵のように、いつも新しいインスピレーションがもたらされる。
それがピアノ、作詞/作曲/編曲、マインドフルネスの教え子たちに気づきや発見の糸口をもたらす。
教え子たちはそのインスピレーションに魅せられる。
すると、必ずレッスン時間の拡大を希望してくる。
30分レッスンの生徒は60分に、60分レッスンの生徒は90分に、という具合。
今や、成人の教え子たちは全員が60〜120分の個人クラスを受講しているのだから、こんな音楽教室もなかなか珍しいだろう。
1人の生徒を120分間教え続けるなんて時間が持つの?と思われるかもしれない。
でも不思議なのが、直感任せに教えてると時間感覚から自由になり、むしろ時間内にきっちり終わりきれないほど白熱してしまう^^
これほど長時間レッスンが日常化すると、新千歳までの2時間フライトなんてあっという間に感じるほどだ^^
48人分のレッスン生
作曲クラスのリモートレッスン生から思いがけない申し出があったのは、初夏のこと。
120分レッスンで月4回の受講回数を、月12回にすることは可能ですか?と。
2時間レッスンを月12回、つまり1ヶ月で1440分もの個人レッスン!
そんな途方も無いリクエストは、創業60年になる当スタジオの歴史を振り返ってみても前例がない。
どれぐらい途方もないことなのか、生徒数に換算してみると、
30分レッスン x 月4回受講している生徒24人分に相当する!
30分レッスン x 月2回受講している生徒だったら48人分!
月12回レッスンとなると、週に3回、つまり1日おきにレッスンする割合だ。
それだけじゃない。
レッスン時間外には、ネット経由でデモ音源が届いてはアドバイスのやりとりが続く。
こうなるともう王宮に仕える宮廷音楽家のごとく付かず離れずの毎日になり、僕はこの教え子の専属音楽コンサルタントになったに等しい^^
もちろんお月謝も、音楽レッスンとは思えないほど天文学的な額。
好きな音楽を学ぶために、毎月そんな大枚をはたけるなんて、幸せな人だなぁと思う。
前代未聞のトリプルレッスン
さて、この教え子は管理職で忙しい身なので、レッスン日時もイレギュラーだ。
朝8時から始まる日もあれば、深夜帯で連夜レッスンが続いたり、他のレッスン生の時間帯をまたいで前後4時間分のダブルレッスンが入ったり。
それどころか、前代未聞のトリプルレッスンさえ入る!
こうなるとレッスン3回分=6時間ぶっ通しのレッスンになるわけで、飛行機でホノルルに到着してしまえるスケールだ(笑)
6時間ぶっ通しでレッスンしても、僕の指導マインドは無限にパワフルだ^^
が、1つ難を挙げるとすれば、喉に限界がある^^:
6時間レッスン後に別の生徒が控えている時は、水分補給していても、声枯れしたままのスタートになってしまう^^;
もし生徒がオーケストラなら
おかげで、平日であっても終日レッスンで埋まってしまう日が少なくない。
そんな日の僕は1日中、心身ともにアイディアとエネルギーが通過していくパイプになる^^
もし可能ならやってみたいことがある。
インスピレーションで教え導くことのできる指導者を育成すること!
小規模なネット勉強会やワークショップのような形で。
音楽はこの世で最もクリエイティブで物体性のない霊妙なものなのに、それを教え導く講師たちの教育態度はあまりに真逆ではないだろうか。
生徒の顔は変われど、教える内容は判でついたように変わりばえなく、マンネリズムな毎日の中、教えるモチベーションまで見失っている。
そこから自由になれることを知ってほしい。
もっと直感的に生徒と繋がってほしい。
教えることの喜びと誇りを取り戻してほしい。
もし生徒たち1人1人がオーケストラメンバーだとすれば、彼らを教え導くことは新たな交響曲を作るくらい、チャレンジングで独創的なプロセスなのだから。
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