
年の瀬も押し迫ってきましたね。
今日は、今年最高だった日のことを書いていきましょう。
60回目の謝意
今年「ミュージックハウス美美の環」は創業60周年を迎えました。
人間で言えば還暦です^^
それを記念してこの10月に開催したのが「ミミノワ芸術祭2025」
まずは、お祝いして下さった方々へ謝意を込めて!




皆様のあたたかいお心遣い、どうもありがとうございました!
時間泥棒のおかげで
公演当日、起きてみたら午前3時!
舞台を主催する日はいつもこんな調子で、目覚ましタイマーより大幅に早起きしてしまうのです^^;
まだ未明のうちからパチっと目が覚め、ガバっと起き上がり、シタタタ〜っと忍者のように素早くベットを抜け出す(笑)
体も意識も神経も、この日は臨戦態勢なのでしょう。
本番当日というものは、どれだけ時間が潤沢にあっても足りません!
絶対どこかに時間泥棒がいるぞ〜!って思えるくらい(笑)
搬入、セッティング、演出、調整。
このうち「演出」や「調整」は舞台現場の状況によって臨機応変に対応する必要があって、ベストな方法を模索しているうちに、思いのほか時間を取られます。
その甲斐あり、本番に突入すれば流れるがごとくスムーズに進行してゆき、淀みなく中だるみなく、スマートに展開できました。
時間泥棒さんのおかげでね^^
観測史上最も遅い夏日
この日、広島市内では、10月としては観測史上最も遅い夏日を記録!
コンサートホール内は空調が効いていましたが、準備に動き回る僕はタンクトップ1枚でも汗が吹き出ます。
外気温だけでなく、僕のボディー/マインド/ソウルも夏日まっさかりで、内なる太陽がサンサン燃えているのでしょう^^
本番前、衣装で新調したばかりの秋物ベルベットコンビジャケットに腕を通すと、もう暑いのなんの、罰ゲームかと思うほど^^;
とはいえ、根っからのエンタメ気質が幸いして、マイクを片手に最初の挨拶を始めてしまえば、場を盛り立てることしか頭の中にはありません。
舞台上で観衆と一体化する喜びと快感、それに勝るものは世界のどこにもありませんから♪
演奏の前に物語を売る
芸術祭第1部はピアノクラスの発表会。
司会MC役を務めるにあたって、ピアノ発表会であってもエンタメ性がキーポイントになります。
1人ずつ入れ替わり出演者が登壇するごとに、お決まりの年齢や学年等は敢えて紹介せず、代わりにレッスン風景の中から、各人の個性が光るエピソードを物語仕立てで披露します。
「〇〇ちゃんはどんな日もお日様みたいにニコニコ入室してきます^^」
「〇〇ちゃんは入会してまだ6回目のレッスンで、今日の舞台に出演することを決意しました!」
「〇〇ちゃんは夏休みに腕を骨折してずっと弾けず、ひと月前に完治したばかり^^;」
「〇〇ちゃんは30分レッスンを1時間に拡大して、テキスト4冊メキメキ上達中!」
「〇〇ちゃんは子どもの中で唯一人、僕に敬語を使ってくれます♪」
「〇〇ちゃんが好んで弾く曲は、なぜか全てフランス民謡でした。前世はフランス人だったのかも!?」
こんな調子で紹介を進めていくと、確実に客席から反応が返ってきます。
「まぁ」と微笑み「うわぁ」と目を見張り「あらまぁ」と驚き「おぉ」と感心して「やれやれ」と苦笑「へぇ」と目を丸める、という具合に。
ピアノでスタンバイしている当人まで、MCの僕を振り向きながら「ヒデキ先生、私のことをどんな風に言うのかな?」と興味津々です^^
物語性に裏打ちされた出演者のキャラクターが際立てば、観衆の関心を集めやすく、引いては演奏までも注目されるわけです。
演奏の前に物語を売る。
著名になったアーティストなら誰でもやってるプロモーション術ですね!
北風よりも太陽になろう
出演したキッズたちの保護者には、楽器経験者が意外といらっしゃいます。
「うちのパパ、ピアノ上手なんだよ」なんて話を耳にするものですから。
「芸術祭」と銘打ってるわけだし、音楽好きなパパママ達にもご出演いただきたいなぁ。
そこで前回公演後、皆さんに打診してみたのです。
「60周年アニバーサリー公演では、舞台の上で演奏してみませんか?」
すると皆さん「とんでもない!」の一点張り。
まるで「ライオンの谷に突き落とされてみませんか?」と脅された人のごとく(笑)
たしかに、お気持ちは察するに余りあります。
ご自宅で気分転換に弾くピアノとは勝手が違いすぎますからね。
衆目に晒された緊張感の中、間違ったり止まりでもしたら一世一代の恥!
と怯(おび)えながら登壇しなければならないコンサート舞台は、ライオンの谷ほどに過酷な環境と申せましょう^^
どうしたら首を縦に振ってもらえるかなぁ。。。
その時、思い出したのが、イソップ童話の「北風と太陽」です。
北風が、旅人のコートを吹き飛ばそうと強風を吹きつける度、旅人はますます頑なにコートにくるまろうとするばかり。
一方の太陽は、あたたかい陽射しでサンサンと照らし、旅人みずからコートを脱がせることに成功しました。
そこで一計を案じ、言い方を変えてみることにしたのです。
「親子アンサンブルで、お子さんや家族とコラボしてみませんか?」
すると、あらあら不思議、誰も異を唱えることなく、すんなり同意していただけたではありませんか^^
そればかりか、音楽未経験の保護者達まで出演を快諾してくれたのです♪
こうして実現したのが、第2部のファミリーアンサンブルでした。
話はそこで終わりません。
選曲から楽器編成に至るまで、僕はノータッチ。
編曲に関しても極力アドバイスを控え、それぞれの家族にお任せしました。
ひと夏かけて、各家庭ならではのアイディアを練ってほしかったのです。
かっこいい言い方をすれば、皆さんにセルフプロデュースしてもらった!というわけですね。
1965年に創業した当スタジオで、そうしたクリエイティブな試みは50年ほど昔、つまり70年代後半の公演において数例ありました。
でも生徒全員の家族総出で出演したケースは、美美の環60年史でも初めてのこと!
歌とピアノ伴奏でしっとり聴かせたAKB48「365日の紙飛行機」
にぎやかに連弾したポケモンのテーマ曲「ドギメギダイアリー」
ステージ中を跳ね回りながら愉快に合奏した「小さな世界」
トライアングルや鈴など小物楽器による家族楽団の情緒豊かな「虫の声」
60周年にふさわしい個性的な名場面がたくさん生まれましたよ♪
サウンドを紡ぐ喜び
第3部は、去年大好評だった「即興ハンドベル合戦」です。
ハンドベル合奏の面白いところはチームワーク!
誰か一人欠けてもうまくいきませんからね♪
前回は家族対抗戦という形式で、お題はカエルの歌、ぶんぶんぶん、ちょうちょでした。
今回は子どもチーム vs 大人チームに分かれて「ドレミの歌」にチャレンジ!
音数も音域も桁違いなドレミの歌となると、グググっと難易度だって上がります。
お題が難しすぎるかなぁ?と企画段階で躊躇しましたが、やってみたら両チームとも1〜2回の即興練習で見事にまとまったのでした!
ま、ライオンの谷間を通り過ぎたあとですから、気楽なものでしょう^^
楽器に触れること、それは体と神経と意識がコラボして活性化する、心躍る体験です。
鈴1つでもいいので、読者の皆様も機会があれば是非楽器に触れてリンリンリンと鳴らしてみてください。
自分の手でサウンドを紡ぎ、リズムを刻むことは、第2の声と足を手に入れたようなもの。
得手不得手なんて関係ありません。
むしろちょっと不器用なくらいが一緒に笑い合えて愉快だし、周りからサポートも得られやすいのです♪
楽器はあなたという人間をカラフルに表現し、創造性の扉を開いてくれる最も親しい友となってくれるでしょう!
お伽噺灯 掌の水中花
創業60周年を記念して、出演者にギフトを贈呈しました。
お子様にはコチラ


大人には、スワロフスキ付きハーバリウムペン!
文字を書くにも気分がノリますね♪
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クラシックピアノの一番面白いところ
芸術祭プログラムの締めくくりは、誰もが知るショパン「ノクターン第2番」を披露。
これが自分にとっての完成形だ!というものに仕上がりました。
ところが芸術祭の翌日のこと、同じ曲を美美の環スタジオで弾いていて驚きました。
自分の出す音色や弾き方、解釈の仕方までもが、全然別物だったのです。
その斬新さに、こんな解釈も有りだなぁと、我ながら満足の吐息をつきました。
クラシック芸術の面白いところは、年齢や経験を重ねて気づきを得るごとに、出す音が進化して豊かになっていくこと。
サウンドの色合いやツヤ感、スタイルや印象がどんどん洗練されると同時に、熟成していきます。
楽譜に書かれた音符は何1つとして変わらないのに、全然違う役柄を演じながら深みを増していく役者のように、成長を続けるのです!
だから、年単位でずっと弾き続けていられる。
10年20年弾き続けても飽きない。
去年より今年、今年より来年、たゆみなくコクが出て、もっと美味しくなってゆく。
そう、芸術って歳を重ねるほど、どんどん面白くなっていくんですね!
美美の環スタジオも、この60年の間で、めまぐるしく変化を遂げてきました。
この60周年を新たな通過点として、ますます面白く美味しい音楽スタジオに転身し続けてゆきたいです!
といったところで東京行きが参りますので、白線の内側に下がって待つとしましょう^^
本年もご愛読ありがとうございました!
読者の皆様、どうぞ健やかに良いお年をお迎えくださいね。
2026年も猫道でお待ちしています♪

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