ほんの些細な遊び心が、この惑星の反対側に暮らす人に影響をもたらす。
そして、その人の人生をさらに豊かなものにする。
創造力には国境がない。
やむことのない異国の風に魅了される。
異文化への憧れ、それが僕の創作原点。
多国籍なビューワーと交流できるYouTubeは、まさしく僕の理想郷だ。
2つの決定打
僕の動画チャンネルで3番目に人気を集めている曲がこちら、2年前に公開して1万回突破も目前だ。
この動画を絶賛してくれてるのが、世界中のトランス音楽マニアたちである♪
トーマス・ダットによって爽やかな女性ボーカルトランスへとリミックスされた本作は、スコットランドの紅一点バンド、チャーチズのヒット曲「Clearest Blue」
ただし一般公開された同リミックスは尺がカットされて短めなので、フルスケールで聴ける僕の動画は希少価値があって、視聴回数が伸び続けてるというわけ。
人気の決め手になったもう1つの要素が、この爽快な風景だろう。
美しく澄んだマリンブルーとスカイブルー。
実はこれ、沖縄の宮古島なのだ。
無邪気な期待
多くの人に見てもらえる動画を作るには、見栄えのするサムネイル画像が欠かせない。
本作のサムネイル作りにあたっては、タイトル「Clearest Blue(世界一澄みわたった青)」にちなんで、地中海やカリブ海など世界中のリゾートビーチの画像を集めた。
その中で傑出していたのが、この宮古島だった。
単にサムネの見栄えだけでなく、動画を通じて日本にこんな美しいビーチがあることを海外ビューワーに知ってもらえる絶好の機会だとも思った。
そこで動画説明文に、この画像が宮古島であることを英語表記しておいたのだ♪
無邪気な子供のようにワクワクした^^
もしかしたらこの美しい海と空に惹かれて、実際に沖縄まで足を運ぶ外国人がいるかもしれない。
驚異の動画コメント
昨夜、動画チャンネルに長文コメントが寄せられた。
それを読んだ僕は、開いた口が塞がらなかった。
Two years ago whilst planning my trip to Algarve, Portugal I stumbled upon this video. I really loved the remix as I really love Datt's work but what stood out for me was the photo used in the video. I thought to myself one day I have to come to Okinawa. Two years fast forward and here I am in Naha typing this. Immense gratitude for being here. Okinawa truly is wonderful. Arigato Hideki for sharing this!🙏 ──from Darko Mojsoski
(2年前にポルトガルのアルガルヴェへ旅行の計画を立てようとしていたら、偶然この動画に巡りあえたんだ。僕はダットの手がける音楽が大好きだからこのリミックスもすごく好きなんだけど、ずば抜けて目を引いたのがこの動画で使われている画像だった。そこで僕は心に決めたんだよ、いつの日か沖縄に行ってやるぞって。2年がみるみる過ぎて、今僕は那覇でこれを書いてる。ここに来られて、計り知れないほど感謝してるよ。沖縄は本当に素晴らしいところだね。この動画をシェアしてくれたヒデキにありがとう!)
なんと、この動画がきっかけで来日中だという外国人からの書き込みだった!
僕の無邪気な夢が叶ったのだ!
しかも、まさに沖縄に滞在しているタイミングで、お礼を兼ねてのコメントとは♪
なんてチャーミングで気の利いた人なんだろう^^
ポルトガルの海洋リゾート
せっかくなので、彼の蹴ったポルトガル旅行先のアルガルヴェを調べてみたら、こんなところだった♪
どうやらアルガルヴェも海洋リゾートみたいだね。
この画像がきっかけでアルガルヴェを旅行したいと思われた方、実現した暁には是非ご一報を^^
心打たれた謝辞
さて上記コメントの主、Darko Mojsoskiさん。
おそらくダルコ・モイソスキーと発音するのだと思われる^^
ラストネームからして、ロシア〜東ヨーロッパ圏の方かな。
驚かされたのは、彼の行動力ばかりでない。その文章表現力だ。
まるでストーリーテラーのような語り口で、沖縄への旅に至った経緯が語られ、センスを感じさせる。
その文面からは、とても誠実で親しみ深い人柄まで伝わってきた。
よく外国人からの動画コメントにありがちな砕けた英文ではなく、英文法に則(のっと)ったわかりやすく丁寧な文章もまた好印象だ。
最後の「Arigato(ありがとう)」も嬉しいね♪
文中で特に心打たれたのは「Immense gratitude(計り知れないほど感謝している)」という表現。
今まで公(おおやけ)の場でこれほど深い謝辞を賜(たまわ)ったことなんてないものだから、宝物にも等しい偉大な言葉に胸が熱くなった。
これほど豊かな英語表現のできる彼は、まるでピューリッツァー賞の受賞スピーチをしている作家なみにすごい人だ!
建築デザイナー気質
僕はすっかり魅了されてしまった。
たった1枚のサムネイル画像で沖縄行きを決意した彼の行動力。
上質で紳士的、相手を喜ばせる気の利いた人柄。
妙なる文章の編み出し方。
一体どういう素性の人なのだろう?
興味の湧いた僕は、彼の名をグーグル検索した。
すると、またまた驚きの発見!
ダルコ・モイソスキーは、北マケドニア共和国の建築デザイナーだというではないか!
PinterestやLinked Inなど彼のSNSには、世界中の先端建築や、風光明媚でラグジュアリーかつ芸術的な旅行風景が踊っていた。
ちなみに当人の顔立ちはというと、さすが2000年前に世界を制覇したアレクサンドロス大王の出身国らしく、ヒゲを蓄えて風格がありつつ人の良さそうな笑顔がナイスガイだった^^
動画コメント主に直接「この建築デザイナーと同一人物ですか?」と尋ねるのは無粋だし、同姓同名の他人だってこともあり得る。
けど、両者が同一人物だと僕が確信する理由は、彼の類い稀な資質──行動力、人柄、表現力──のどれもがクリエイティブな建築デザイナー気質由来であることを雄弁に物語っているからだ。
きっと彼はそうやって、世界中に友を作っているんだろうなぁ!
マケドニアの名所
ここでまた脱線して、ちょっとマケドニアの名所もご紹介しておくとしよう^^
ヨーロッパ最古の湖オフリド湖は世界遺産。湖畔に立つメルヘンな建物は聖ヨハネ・カネオ教会。
首都郊外のマトカ湖は、人気のアクティビティ・スポット。
ダルコと逆の立場になってみれば、こうした画像が好きな楽曲に使われているのを目にして、僕がマケドニアに旅行するようなものだよね。
う〜ん、そう考えてみると、ダルコの行動力って偉大だなぁ!
インタラクティブの理想形
こんな僕でもYouTube動画1本で、マケドニア人を極東の楽園へと誘(いざな)えたわけだから、すごい時代だなぁって思う^^
子供みたいに小さなアイディア1つでも、遥か異国の人に影響を与え、その人の人生をさらに豊かにすることができるんだもん。
その上、彼からお礼のコメントが届けられ、僕を幸福の極みへ高めてくれた。
これぞまさしくお互いを高め合う、インタラクティブの理想形だろう。
デザイナー好みの音楽
ところで改めて感じたのは、トランスミュージック愛好家にはデザインを職業とする人が多いなぁと。
ヨーロッパで知られている日本人トランスアーティスト、シンゴ・ナカムラさんも、かつてグラフィックデザイナーから転身されたらしいし。
思うに、幾何学的な秩序とスピリチュアルな宇宙観を内包したトランスミュージックは、デザインセンス豊かな人たちのマインドに響くのだろう♪
憧れのマケドニア
さて最後にもう1つだけ、マケドニアやアレクサンドロス大王にまつわる個人的な思い入れを。
20代の頃、ミュージカル舞台「ギリシア神話─デメテルとペルセポネ─」でアレクサンドロス大王役を演じたことがあった。
その時に作った「ユーラシア」という歌は、マケドニアから東方遠征に旅立つ前夜のアレクサンドロス大王の決意を歌ったもので、僕にとっても作曲家人生の発展を予感させる特別な作品だ。
その「ユーラシア」をいつかYouTubeで公開したいなぁって思った。
そしたら、ダルコも見てくれるかなぁ^^
なおギリシア系の古代マケドニア王国と、スラブ系の現・北マケドニア共和国には、民族的に直接なつながりはないみたい。
ブログランキングに参加中です。いつもサポートありがとうございます。