ヒデキマツバラの猫道Blog

音楽、マインドフルネス、それにユーモアを愛するネコ目線のキャットウォークブログ

1枚の貸出表から生まれた物語 〜次に読みたい本10選〜 - A Man from Venus -

 

 

1枚の貸出表から生まれた物語

昨日の猫道はいかがでしたか?

事前予告なく、前置きさえないまま始まってあの終わり方に「どうしちゃったの猫道ブログ!?」と戸惑われた方。

これぞ猫道らしいユーモアとひねりが効いて、読み応えあったよという方。

好みが分かれたことでしょう^^

 

さぞ、行き当たりばったりで書いたのであろう。

と見せかけ、構想から執筆まで8年(!)

書いたり消したりを繰り返しながら、心ゆくまで楽しんで作ってきました。

 

その創作短編がコチラ

 

読めない筋運び、そして意外な結末。

自分も読者気分でクスッと笑ったり、え、そうなるの!?って思いながら執筆^^

 

この物語を思いついたきっかけは、図書館の貸出表でした。

本を借りる際に受け取る、印字されたメモ用紙大の貸出リストのことです。

 

この貸出表、僕の前にその本を借りた人が挟んだままにしている事がよくあって。

それを見つけると、つい好奇心がムクムク^^

この本を借りた人物は、他にどんな本を同時に借りているのだろう?

本の趣味嗜好が一緒なのだから、その貸出リストをきっかけに僕好みの本が見つかるかもしれません。

 

毎度そうやって興味津々に眺めているうち、別のことに気づきました。

どの人も、同じジャンルの本しか借りていないことに。

SF小説を借りた人はSFものしか借りず、レシピ本を借りた人は料理関連本ばかり。

ん? 一般的にそういうものなの?

 

そこで1つ、愉快な考えがひらめきました。

もしそういう人たちが僕の貸出表を見たら?

SF、コメディー、歴史、伝記、心理学、スピリチュアル、レシピ本、童話、絵本。

これら異ジャンルを一度に借りるなんて、変わり者だと思われるに違いない。

 

そこが面白くて喜劇的だと感じました。

自分では理由もなく自然にやってることが、他者からは奇異の目で見られるギャップ。

同じ日本人であり、本の好みも同じなのに、何かが異星人ほどに違う!というね^^

そんな着想から、物語の骨格を思いついたのでした。

 

短編小説の魅力

話題を進めていく前に、あらすじをざっと振り返りましょう。

*この先、ネタバレがあります。前回記事を未読の方はご注意ください。

 

あるお堅い図書館司書の日常業務と、非日常な妄想を描いた「ある図書館司書のお悩み -One for the Books-」

*サブタイトル one for the books は「予想外の出来事」を意味する慣用句

 

いつも図書館を利用するアイツは神出鬼没。

大量に借りていく本には一貫性がない。

次第に関心を持ち始める図書館司書。

アイツの素性を推理するうち「地球人に化けた宇宙人だ」との突飛な仮説に至る。

が、実はお堅い公務員である司書自身が、地球人に化けた宇宙人であった!というオチ。

 

長編小説を書く際、枝葉を伸ばして広げるところまで広げきって、もつれたストーリーや伏線をうまく収束させながら、読者を納得させる結末を用意しなくてはなりません。

でも短編ものは、風船のように好きなだけストーリーを膨らませ、最後の1行で予想外のオチで幕切れとなり、読者をケムに巻きます。

だから読むにしても書くにしても、アイディア1つで成立する短編は痛快です^^

 

動き出したキャラクター

アイツ

猫道歴の長い読者なら薄々お気づきでしょう。

「アイツ」のモデルになったのは、他でもないこの僕で^^

客観的に自分の日常生活を描写してるうち、しみじみ思いました。

フリーターどころか、金星人くらい自由気ままに生きてるんだなぁと(笑)

 

スキップするように歩く姿は、ピアノレッスン生のOLさんから指摘されました。

「この前バスの中からお見かけしたんですけど、ルンルンルン♪って歩かれてたから、すぐにヒデキ先生だとわかりました」

はぁ、そうですか^^;

という経緯で、ストーリーの中に採用しました(笑)

物語中でも指摘した通り、現代人と未来人を見分けるには、弾むような歩き方がポイントらしいですよ(!)

 

図書館司書

図書館司書の具体的なモデルはいません。

当ブログを開設したばかりの頃、僕の中に住みついて語り始めたキャラクターです。

 

イメージした人物像は、昭和の時代にいたような頭の堅いステレオタイプの公務員。

牛乳瓶の底のようにぶ厚い眼鏡をかけ、髪は七三分け、ニコリともせず、金太郎飴のごとく表情を崩さない。

 

こういう人物は一体何を考えてるのか傍目にわからないので、ぶっ飛んだ妄想に駆られたキャラにふさわしいと思いました。

アハハではなくクスッと読者に笑ってもらうには、このくらい現実離れした登場人物が書きやすいものです。

それに地球人に化けているわけだから、眼鏡姿で無表情なのは、異星人であることを悟られないためのカモフラージュとも言えますよね^^

 

僕がいつも図書館へ往復する散歩道で、時折、この司書キャラが頭の中に現れては動き出すのです(!)

そんな日は1人ニンマリしながら帰宅して、まっすぐパソコンに向かい、物語を書き足していく。

そんな8年間だったものですから、昨日ついに完成・公開に至り、嬉しいやら寂しいやら(笑)

 

奇想天外な物語を作るコツ

物語はリアリティーが命。

奇想天外な人物の登場する奇想天外な作り話であるほど、地に足のついたリアリズムが肝要です。

具体的に言えば「現実的で写実的な舞台設定に徹する」こと。

 

例えば本作の場合、序章「本の海に溺れる」で図書館員が忙しく立ち働く記述がそれです。

まさしくあれは、行きつけの図書館で見かける光景そのもの。

休館日が明けた翌朝一番の図書館カウンターは鬼気迫った修羅場と化し、スタッフ総勢10人がかりで返却本の始末や貸出予約本の仕分けに大わらわ。

僕の借りていた10冊を返却窓口にドドドンと返すのがためらわれるほどで(笑)

長期休館日の後には「本の海を泳がないと受付カウンターまでたどり着けない」と描写したのも、あながちウソではありません^^

 

余談ですが「本の海」で思い出すのが、個人的に永遠のバイブル「霧のむこうのふしぎな町」(柏葉幸子/著)です♪

あれも奇想天外なファンタジーでありながら、登場人物たちのリアルな性格描写や言動が写実的だからこそ、まるで実在しているかのような説得力が生まれ、物語の中に引き込まれるわけですね。

 

次に読みたい本10選

「ある図書館司書のお悩み」の中で主人公が借りた10冊の本。

あれも、まんま僕が借りた通りのラインナップです^^

 

ちなみに、次に借りようとしている本がこちら。

プロジェクト・ヘイル・メアリー 下巻(アンディ・ウィアー/著)

皮肉な終幕(リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク/著)

イーディス ・シットウェル詩集(イーディス ・シットウェル/著)

世界の美しい本(海野弘/著)

日本人が知らない英語のニュアンス(牧野高吉/著)

私の好きな世界の街(兼高かおる/著)

通い猫アルフィーの奇跡(レイチェル・ウェルズ/著)

身体はトラウマを記憶する(ベッセル・ヴァン・デア・コーク/著)

死別の悲しみを癒すアドバイスブック(キャサリン・M・サンダーズ/著)

ガンが自然に治る生き方(ケリー・ターナー/著)

 

相変わらずベクトルの違う雑多な一覧^^

毎度SF小説推理小説がコンスタントに入っているのは、ジャンルとして好きというよりも、深宇宙とか難事件という特殊な状況下で繰り広げられる人間ドラマだったりユーモラスなやり取りに惹かれるから。

最後の3冊は自分の勉強用で、マインドフルネスの生徒さんたちの指導に応用するためのもの。

 

ゴールデンウィーク中も僕は通常通りお仕事ですが、寝る前には心ゆくまで読書に耽(ふけ)るとしましょう♪

 

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