ヒデキマツバラの猫道Blog

サウンドクリエイターの日常に潜む笑い、癒し、気づき、そして魔法をつづったドラネコ風エッセイ

寅さんの魅力

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画像出典/松竹株式会社(作画:高井研一郎

週末のお楽しみ。

それが土曜夜のBS番組「男はつらいよ」全49作一挙放送である。
(*週によって放送日時の変更あり)

 

放送時間に間に合うよう、僕が仕事先の音楽教室から帰宅するまでのドタバタな顛末は、前回述べた通り。

そんな帰路を急がなくたって、録画しておいて後日ゆっくり見ればいいのに、
なんていう無粋なご忠告は御免こうむりたい。


いろんなことがあった1週間。

頑張った1週間。

その締めに、のんびりと夕食に舌鼓を打ちながら、寅さんを生で観る。

それが僕にはとびきりの慰労なのだから。

 

 

ポスト平成

日本映画史に残る名シリーズ「男はつらいよ

第1作目が公開されたのが1969年だから昭和44年!

来年には50周年というアニバーサリーイヤーを迎える。

 

それを前に、22年ぶり第50作目の製作発表が世間をあっと驚かせたのは記憶に新しい。

とはいえ、当の寅さんをはじめ、おいちゃん、おばちゃん、タコ社長らメインキャストは、すでに天寿を全うされている。

よって、現在撮影中の新作は過去の映像をまじえたものになるらしい。

 

さて山田洋次監督の話によると、もし渥美清さんが存命であれば、寅さんを50作目で結婚させる筋書きだったとか。

残念ながら実現は叶わなかったけれど、シリーズ終盤でほぼ主役だった寅さんの甥っ子である満男のその後など、新作に向けて注目したい点がいろいろあることに変わりはない。

 

平成が終わりを告げ、新しい元号へ移行しようとする今の日本。

不況は脱した。

競争とは無縁のゆとり世代が社会の中堅を担い、ITとAIは暮らしを様変わりさせた。

介護福祉とは無縁の元気ハツラツな高齢者が増え、経済もバブル景気を超えた。

なにかと不安を煽りたがるマスメディアをよそに、今の日本はかつて無いほど頼もしい。

そんな時代に山田監督が何をどう描くか?

期待は高まるばかりである。

 

僕はこうして寅さんファンになった

あたかも筋金入りファンのような口ぶりで進めてきた本日のブログ。

が、しかし、僕が寅さんに夢中になり始めたのはごくごく近年になってからである。

 

子供時分のその昔、うちのカミナリじいさんの肩越しに寅さんを見ていた頃は、まだこの映画の面白さがわからなかった。

特撮ヒーロー好きな子供の目から見れば、リアルでありふれた役柄の登場人物たちが物足りなく映るのも仕方ない。

第一、あのように世話好きで、人情もろく、お節介で、時に厄介、だけど罪のない人々は、昭和当時ご近所にたくさんいた。

「ケンカと祭りは江戸の花でぃ!」な出来事も日常的に繰り広げられていた。

そんな日常の写し鏡のような映画がなぜ大人たちに人気なのか、子供ながらに解せなかった。

 

ところが、である。

大人になって人生の味を──酸いも甘いも苦味も辛味も──味わってきてから「男はつらいよ」を見ると、印象が一変してしまった。

 

まず郷愁感に打たれたのが、画面いっぱいに映し出される日本ならではの風景と風俗文化である。

素朴な農村の光景だったり、地域に根ざした文化の営みであったり。

これぞ日本人の魂の故郷だと言える心象風景がそこにある。

今ではもう失われ、4Kや8Kで新たに撮り下ろすことができぬものも少なくないだろう。

 

それらを背景としながら、そこに生きる人々の負っている業(ごう)が毎作ごとに描き出される。

その根深さは、寅さんや寅屋の面々が奮闘して助けてあげたくらいじゃ救ってあげられない類のもの。

 

そんな郷愁感と切なさ、救い難さに満ちたこの映画を、全編に渡って貫いているものがある。

笑いとユーモアだ。

そこに僕はひたすら胸打たれたのである。

  

笑う生き物

僕が人生で第一義としているもの、それは笑いである。

笑うことを忘れちゃ、人間おしまいだ。

 

昭和という時代は、悲劇の時代だった。

でも敗戦後、日本はよみがえり、高度経済成長を遂げた。

その根本的な要因は、そこに笑いという庶民文化があったからだ!と僕は心ひそかに確信している。

 

その笑いが集約されたものこそ「男はつらいよ」なのである。

今にして思えば、20世紀後半の我が国のお笑い大衆娯楽作品は、テレビ番組、コント、ギャグ漫画全般にわたってどれもこれも、寅さんを本家本元とする亜流に過ぎなかったことがわかる。

 

どんな厳しい現実の隙間にも、笑いの入る余地がある。

そこに気づけば、ものの見方が一変する。

 

腹の底から笑えば、悲しみも悔しさも飛んでいく。

精神や感情の中に抱えていたものが雲散霧消していく。

厭世観なんて吹っ飛ぶ。 

 

笑いこそ活力を生む。

笑いこそが明日を連れてくるのだ。

 

 いい年をした大人たちが、子供のように遊び心を傾けて純粋に笑いを追求した喜劇作「男はつらいよ

映画の中の登場人物は、寅さんと出逢うことによって、幸せをたどる手がかりを見つけていった。

 

それと同様、僕にとって寅さん全49作品は、ある種の道しるべである。

今、自分が置かれている状況をありのままに受け入れられる道しるべ。

これからどんなことが自分の身に降りかかっても大丈夫!と自己信頼感を高めてくれる道しるべ。

 

だから週末になると、僕は寅さん目がけて全力で帰ってくる。

寅さんと出逢い、大笑いしてはホロリときて、心にたまった1週間分のホコリを一掃する。

そして、新たな週を踏み出していくのだ。

  

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久しぶりにライブ動画をアップしました。


DISCONNECTED ヒデキマツバラ by Hideki Matsubara

  

Music House美美の環 クリスマスコンサート2018

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【Date】2018-12-22 (土) 14:00-15:30

【Place】カワイ広島店 パーチェ・ホール

【Ticket】¥1500

【Appearance】松原リディア美江、ヒデキマツバラ etc

【Contact】info@miminowa.com