ヒデキマツバラの猫道Blog

愛猫家ミュージシャン、ヒデキマツバラのキャットウォークブログ

「スクラブする」ってどういう意味? 〜CNNボーイング有人宇宙船打ち上げ報道にて〜 - Scrub, Scrubbing, Scrubbed -

 

この週末、深夜半過ぎにCNNチャンネルをつけたら、ちょうど新型有人宇宙船の打ち上げカウントダウンを生放送していた。

ボーイング社製の宇宙船スターライナーによる、宇宙飛行士を乗せた初の有人テスト飛行だ。

 

スペースシャトルの頃から、CNNはこうした打ち上げの1時間以上も前からノーカットで生放送してくれるのが嬉しい。

が、いくらアメリカがおしゃべり好きな国民性であっても、そんなに放送が長いと、スタジオのキャスターと現地レポーターの2人だけではネタ切れになるらしい。

しばしレポートが途切れて無音状態が続く。

 

静けさの中、発射台やロケット内部の様子が順々に映し出される。

いつも思うのだけど、世界一科学技術の粋を結集させた打ち上げなのに、この瞬間になると自然豊かな空や海、緑を背景に、鳥のさえずりでも聞こえてきそうなほど日常的でのどかな時間が流れるのが微笑ましい。

 

 

現地は正午過ぎ。

フロリダのケープ・カナベラルにあるケネディー宇宙センターは快晴。

吸い込まれそうなほど美しい青空を背景にそびえ立つ真っ白なロケットは蒸気を上げている。

ギリシア国旗🇬🇷を思わすその鮮やかな配色コントラストに、テレビの前でうっとり見とれた。

 

 

やや風が出ているようだ。木々の枝が大きく揺れている。

ふとカメラが切り替わった。

打ち上げカウントダウンが表示された大型パネルが、3分50秒のまま止まっている。

 

最終調整に手間取っているのか、強風が収まるのを待っているのか。

打ち上げカウントダウンが止まるのは意外によくあることで、いずれカウントダウンがやり直されたら、あっという間に点火されて打ち上がるはずだ。

 

と思いきや、3:50だった表示が前倒しされて、4分ジャストに変更された。

画面にはこんなテロップが。

 

BOEING STARLINER SPACECRAFT LAUNCH SCRUBBING FOR TODAY(ボーイング・スターライナー・スペースクラフト・ローンチ・スクラビング・フォー・トゥデイ)

ボーイング宇宙船スターライナー発射、今日はスクラブする」(?)

 

はて、スクラブって何のこと?

打ち上げカウントダウンの秒読みが停止しているのだから、良い意味ではないのだろう。

 

文脈の肝心な意味がわからないって本当もどかしい。

しかもずっと英語に親しんでいながら「スクラブ」なんて言葉は洗顔料のCMでしか耳馴染みない。

 

 

でも明らかに洗顔料とは違うニュアンスで、ロケットの発射報道で使われている「スクラブ」

英語圏の人々はその意味合いを常識的に理解できてるのに、非英語圏の僕らにはちんぷんかんぷん。

 

いやはや、英語というものは知っても知っても知らないことだらけで終わりがない。

だからこそ、宝探しみたいで面白いのだけど。

 

さっそく意気込んで意味を調べると、トップに出てきたのが「ゴシゴシ洗う」

そう、これが僕らの知る「スクラブ」だ。

ボーイング有人宇宙船スターライナー発射、今日ゴシゴシ洗浄中」

そんなわきゃない(笑)

 

でも調べていくうちに発見が。

スクラブには「中止する、取りやめる」という意味もあった!

つまり「ボーイング宇宙船スターライナー、今日の発射は中止する」

 

ふむ「取りやめる」なら、もっと一般的な言い方があるような。

cancel「(予定やイベントを)キャンセルする」

call off 「(計画や予定を)中止する」

abort「(進行中のタスクやプロセスを緊急的に)停止する」

あえて scrub という言い方を選んだのは案外、プレス向けNASA広報担当者のセンスなのかもしれない(笑)

 

やがてテレビ画面のテロップが変わった。

BOEING STARLINER SPACECRAFT LAUNCH SCRUBBED FOR TECHNICAL ISSUE(ボーイング・スターライナー・スペースクラフト・ローンチ・スクラブド・フォー・テクニカル・イシュー)

ボーイング宇宙船スターライナー発射は、技術的問題により中止された」

 

後のNASA会見によれば、ロケットに打ち上げを指示する機器に不具合が起きたようで。

機器を交換して現地時間6月5日の打ち上げを目指すとのこと。

 

 

スペースシャトルが引退してからここ13年というもの、宇宙ステーションとの往復にはロシアのソユーズ頼みだった。

次世代宇宙船スターライナーの成功に期待したい!

 

今回の記事は際立ってブルーの美しい画像にこだわってみたことを申し添えて、締めとしよう。

 

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