ヒデキマツバラの猫道Blog

ドラネコ目線でサウンドクリエイターの日常に潜む笑い、癒し、気づき、魔法をつづったキャットウォーク・エッセイ

ハノンの表紙をめくれば 〜母が遺したもの (Part2)〜 - Remembrance in the Text Book -

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前回ブログで記事にしたコンサート出演者の方々&寺子先生とパチリ📸

 

 

この日のコンサート、僕の隣で一緒に鑑賞してた人がいます。

それはオカリナ教室「エムミュージックグランヴィア」主宰の寺子先生。

コンサートの合間に歓談していたら、話は自然と僕の母のことに。

 

母が亡くなる4、5年前でした。

母のピアノレッスンを受講するため、寺子先生は我が美美の環スタジオに通い詰めていました。

 

「美江先生はピアノの大家だと周囲から伺っていたので、いつか受講させていただきたくて」

そう言って寺子先生は、秘密を打ち明けるように続けます。

「それに美江先生のあの澄んだピアノの音色がどうやったら出せるようになるのか、レッスンでお尋ねしたかったんです」

 

そんな寺子先生に、母は一冊の楽譜をプレゼントしたのだとか。

それはハノン。

ピアノの演奏技術を磨くための教本です。

 

「それがね、表紙をめくった裏に、美江先生が手書きでメッセージを寄せてくださってて」

寺子先生が嬉しそうに続けます。

 

ハノンの表紙をめくった裏。

そこに母は、美しい音色を奏でる第一の秘訣を書き残していたそうです。

 

「必ず毎日ハノンを練習してくださいね」

 

ピアノで美しい音色を奏でる秘訣は、脱力した指先のタッチにあります。

基礎的な指のトレーニングを積み重ね、技術的に脱力した状態で弾くことがポイントになります。

僕自身、今でも30分かけてハノンで指ならしをした後でないとピアノの練習に入りません。

 

寺子先生も、僕の母からの教えを忠実に守っているそうです。

「なんやかんやで普段なかなかピアノ曲まで練習する時間はないんですけど」

肩をすくめながら、寺子先生は続けます。

「でもその日最後のオカリナレッスンを終えたら、ハノンだけは必ず毎日弾いてるんです」

 

昔から、レッスンと生徒のことを一番大切にしてきた母でした。

そんな母がこの世からいなくなっても、母から譲り受けた熱意を温め続け、その教えを忠実に守っている人がいる。

こんなに感激することはありません。

 

「譜面台にハノンを置いて、表紙をめくるたびに美江先生の肉筆メッセージに出会うでしょ。そうすると、美江先生がそばで背中を押してくれているようで、やる気が出るんです」

寺子先生は幸せそうに微笑まれました。

 

今夜も1日のレッスンを終えた寺子先生は、ハノンの表紙をめくって母の肉筆を目にしてから練習に励まれることでしょう。

母がこの世に生きた証を奏でるように。

 

 

寺子先生と共演した時の動画です。

 

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