ヒデキマツバラの猫道Blog

愛猫家ミュージシャン、ヒデキマツバラのキャットウォークブログ

箸置き1つ分のゆとり - More to Life Than Increasing Its Speed -

 

初めて親子丼を作ってみました♪

定番レシピ料理は普段あまり作らないから、なんだか新鮮でした(笑)

ツクシの季節なので、特にお気に入りの箸置きを添えまして^^

 

 

たかが箸置き

さて、今日の話題は親子丼、ではありません(笑)

皆さん、箸置きって使いますか?

 

僕はどんな日も欠かしません。

「うわぁ、男の人なのにすごいですねぇ。私には絶対無理!」

独身・既婚問わず女性10人が10人ともそう答えましたが^^;

 

そう、まさしく僕もそう思っていたのです。

忙しい日や疲れた日にも箸置きを使う食生活なんて絶対無理!だと。

 

たかが箸置き、されど箸置き。

わざわざ配膳するにも、いちいち洗うにも、なかなか億劫な代物であり^^;

 

出番があるのは、特別な食事だけ。

お正月のおせち料理だったり、両親がお客様を自宅に招いてもてなした時だったり。

 

まして男一人暮らしで箸置きを使う人なんて。

もはや絶滅種なのでしょうね(笑)

 

箸置き1つ分の豊かさ

僕がそんな絶滅種の仲間入りをすることになったきっかけは、太田和彦さん(*)のテレビ番組でした。

*かつて資生堂のアートディレクターを務められた日本有数のグラフィックデザイナーさん。趣味が高じて居酒屋探訪家としての認知度が高いお方^^

日本酒を嗜(たしな)むことのない僕ですが、BSやCSで太田さんの食レポ番組を逐一チェックするようになって早10数年。

人好きのする小洒落た太田さんですが、僕が尊敬するのは、クリエイターならではの含蓄ある言葉の選び方、そして食べる姿の綺麗なことです。

 

太田さんは何かひと口食べるたび、一旦お箸を置いてじっくり味わいます。

ひと噛みひと噛み、丁寧に味わうその姿、実に悦に入ってます。

それはまるで念仏を唱える僧侶のような神々しさ!

 

そこで僕も太田さんの食べ方を真似てみるべく、キッチンの奥から箸置きを取り出してみたというわけ^^

いざ食事をひと口、口の中へと運んだら、お箸は箸置きに戻し、ひと噛みひと噛みじっくり味わいます。

 

すると思わぬことが起きました。

とても豊かな気持ちになれたのです。

 

それは食事そのものの味を楽しむばかりでなく、食事時間の豊かさを噛みしめる心地でした。

単に食べる行為とも、栄養を吸収する行為とも違います。

言うなれば「肉・魚・米・野菜・穀物が持つ生命力と同化する」

それほどパワフルな豊かさが味わえたのです。

まさしくマインドフルネスの境地ですね。

 

以来、箸置きがないと食事モードに入れない僕(笑)

箸置きのない食生活なんて、まるで靴を履かず外出するほどの違和感!

 

質を大事にする人生観

箸置き1つで変わったのは、食生活だけではありません。

家事や仕事の時間も「今この瞬間」を大事にできるようになりました。

 

それは「量より質を大事にする時間」の過ごし方。

つまり「素早くやる」より「豊かにやる」ことに意識が向くようになったわけです。

こうなると、億劫だったはずのことまで楽しくて仕方ありません。

 

例えば、外出時。

腕時計を見ながら早足で目的地まで急ぐのではなく、風に揺れる街路樹や青空を滑る雲を見上げて、空気を胸いっぱいに吸い込む。

 

例えば、皿洗い。

手早くゴシゴシ汚れを落とすのではなく、食器のデザインやグラスのフォルムを愛でながら、美しさを取り戻す過程を味わう。

 

絶滅種のSNSライフ

一事が万事そんな調子ですから、時間の質が深まり、僕の日常はすっかり様変わりしました。

とりわけ大きな影響を及ぼしたのは、人間関係とSNSです。

 

昔から「来るもの拒まず、去るもの追わず」がポリシーでしたが、非常識な人や悪質な人まで誠実に対応するのはやめました。

たとえ少数でも「今この瞬間」にお互いの豊かさ(=やる気)を高め合う気がある人さえいれば十分だと気づけたのです。

 

おととしの暮れ、ツイッター(現X)とインスタグラムをすっぱりやめたのも同じ理由でした。

同時にヤフーニュースもほとんど見ることはなくなりました。

それらはまるで食品添加物のようで「今この瞬間」の糧にならないと悟ったからです。

 

されど箸置き

「箸置き1つ、わざわざ配膳したり、いちいち洗うなんて絶対無理!」

そんな風に思わせていたものの正体って、一体何だったのでしょう?

 

・自分に雑念をもたらすもの

・自分に時間を浪費させるもの

・自分の気力を消耗させるもの

 

そういったものが、多忙な日常とともに紛れ込んできたに違いありません。

そして知らず知らずのうち心のゆとりを奪い、感情や行動パターンまで支配してしまったのでしょう。

でも、ゆとりを奪うものの正体がわかったからには、ゆとりを取り戻すことができます。

 

億劫なことがあっても、厄介なことがあっても、もう気になりません。

箸置きを前にした時と同様、どんな切羽詰まった状況下でも、焦る気持ちがふっと消え、落ち着きがもたらされ「何もかも委ねてうまくいく」という確信さえ得られます。

 

たった箸置き1つ分のマインドフルネスが、人生観を一変させる。

あなたも明日から箸置きを使ってみてはいかがでしょう?

 

*本記事のサブタイトルは、マハトマ・ガンジーの残した名言です。

There is more to life than increasing its speed. 

(スピードを上げて急ぐことだけが人生ではありません)

 

 

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