今月からピアノクラスに入会したピアノ男子がいます。
通称「ジョーさん」
憧れのピアノレッスン
ジョーさんは30代。
ずっとピアノに憧れ続け、習いたくて習いたくてたまらなかったのです。
どれくらい習いたかったかというと、はるばる遠方から、仕事の合間を縫ってまで通ってくるほど!
ご近所にピアノ教室はあるのでしょうが、ゆくゆくはパソコンで音楽制作にも取り組みたいがゆえ、僕以外の先生は選択肢になかったのだとか。
ピアノの化身
「弾き方も指の形もわかっていないので、一から全部教えてください」とジョーさん。
そう言うピアノ初心者に限って、弾き方もテクニックも安定しているのだから不思議なものです^^
「我流で弾いてきたものですから、どんどん注意して直してください」
そう恐縮するジョーさんでしたが、実際のところ、技術的に直すべきところはそれほどありません。
むしろ指のフォルムがきれいで、弾き方も丁寧なのです。
何よりも僕が強烈に印象づけられたのは、ジョーさんの純粋さでした。
弾き始めこそ、緊張感のあまり、鍵盤に乗せた両手が震えています。
ところが演奏を始めると、ジョーさんそのものが音楽になるのです!
目をキラキラ輝かせながら、ジャズピアニストのように体全体で軽快な縦ノリのリズムをとって演奏を楽しむジョーさん。
その姿は、純真な少年そのもの。
この人、心の底からピアノを愛しているんだなぁ。
ピアノ講師の仕事で一番困難なこと
ジョーさんのようなレッスン生は前代未聞です。
ピアノ初心者でありながら、毎週10曲以上練習してくるのですから!
しかも、そのうちの大半が次々と仕上がっていくのです。
土日もフルタイムで働かれているのに、一体いつ練習されているのでしょう?
ピアノ講師の仕事で一番困難なことがあります。
それは、やる気を喪失した生徒にモチベーションを与えること。
励ます、寄り添う、突き放す、目標を与える、あえて放っておくetc.
その時に生徒が置かれている状況だったり性格や資質を総合的に判断しながら、最善の方策で動機づけをする必要があります。
でもジョーさんに関する限り、そんな心配は無用でしょう^^
先生にやる気を与えてくれる生徒ほど偉大な存在はありません!
この世で一番偉大なギフトとは
ジョーさんのキャラがつかめてきましたか?
では、さらに特筆すべきことを2つ3つ書き加えましょう。
ジョーさんは、僕を拝むようにしてレッスン室に入ってきます^^
まるで聖人を前にした信者のごとく恍惚として!
僕の指導する一言一言に耳を傾け、感じ入るジョーさんの表情ときたら!
法雨のごとき恵みを得た顔をされるのです。
「ごめんなさい! すみません!」
ミスタッチをするたび、ジョーさんは慌てふためきます。
いえいえ、気にしないで大丈夫ですよ。
間違えるほど上達しますからね、どんどん間違えましょう!
そう言って僕はフォローに回りながら、ジョーさんを落ち着かせます^^
僕に全幅の信頼を寄せているジョーさん。
この世の中に、こんな純粋な30代男性が存在したんですねぇ!
もし僕が「この火の輪をくぐれば、どんどんピアノが上達しますよ」
とでも言おうものなら
「分かりました! ヒデキ先生のおっしゃる通りやってみます!」
と実行しかねません(笑)
ジョークはさておき、大切に育てていきたいレッスン生のひとりです。
こういうやる気にあふれた人とご縁をいただくたび、つくづく感じます。
「この世で一番偉大なギフトは『人』である」
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