8/1にバースデーを迎えました。
お祝いメッセージや、真心こもったギフトの数々、どうもありがとうございました!
この夏は思い切って仕事をお休みして、先月末からバカンス休暇に入ってます。
その様子はインスタグラムで公開中です^^
https://www.instagram.com/hidekimatsubara81/
さて今日は、旅にかこつけてピアノのことを書いていきますね。
孤高のクラシックピアノ
クラシックピアノを演奏することは、瞬間的に芸術を生み出すこと。
これほど指先の技術と表現力を要するものは他にありません。
複雑なパッセージを高速で弾きこなす大胆さ。
魂を揺さぶる音色を紡ぎ出す指先の繊細さ。
その両極端な要素が、10本の指に求められます。
永久に6合目どまり
当然、日々の稽古は欠かせません。
1日でもサボれば、目に見えて指さばきが衰えます。
週に2日もサボってしまうと、あぁ、なんという悲劇!
指先の演奏感覚は失われ、音の響きまで鈍ってくるではありませんか!
慌てて練習に取り組んでも、取り戻すまで1週間は要するでしょう。
クラシックピアノに関する限り、時間的な努力と演奏の成果は正比例しません。
難易度の高い箇所だと、練習すればするほど下手になってないか!?と自分を疑うほどに^^;
まるで山の頂上を目指しながら、いつまでも5合目と6合目の間をウロウロするほどのもどかしさです。
昨日まで安定して弾けていた箇所が、今日になって突然つまづき始めることもあります。
これは練習量が足りないのではなく、指のテクニックの未熟さに原因があるんですけどね。
死ぬほど練習しても、テクニックが伴わない限り、永久に6合目どまりの演奏というわけ。
やれやれ、クラシックピアノは全く油断なりませんね。
もし病気療養等の理由で、何日もピアノから遠ざかるなんてことになったら!
あぁ、想像するのも恐ろしい^^;
ピアノ弾きの帰郷
ところが、唯一の例外があります。
それは、旅先から帰ってきた時。
旅行前、あれほど努力を重ねても実らなかったピアノ演奏。
ところが、練習なんて何もしてない旅から帰宅した途端、なぜかテクニックや表現力まで花開くのです!
その音色には生命力が宿り、我ながら魂を揺さぶります。
その気迫ときたら、まるで広大な大陸を豊かに水をたたえながら流れる大河のよう。
この2年間で3度、宿泊を伴う旅をしました。
いずれも旅立ち前より、帰宅後にピアノの演奏が上達したことを実感したのです。
進化したシシリエンヌ
ある日のピアノレッスンで、僕は生徒の奏でるフォーレの『シシリエンヌ』に強く惹きつけられました。
演奏力も表現力も、それ以前とは別格の出来栄えだったからです。
音がまるで生命力を持ったように生き生きと呼吸し、雄大に波打ち、輝きを放っている。
まるで、登山中に6合目から8合目に瞬間ワープしたような完成度です。
演奏が「上達した」と言うより「進化した」そんな演奏でした。
こういう場面に遭遇すると、僕はいつも尋ねます。
「この1週間で、何かいつもと変わったことがありませんでしたか?」
すると、どうでしょう。
そのレッスン生は、旅に出ていたと言うじゃありませんか。
「旅から帰ると、なぜかピアノが上達している気がしませんか?」
そう尋ねると、彼女は感激で口もきけないほど瞳をキラキラ輝かせ、大きく頷(うなず)いたのでした。
旅するピアノ弾き
それにしても、あれほど毎日努力を重ねていながら、技術的に芸術的に6合目止まりのピアノ演奏が。
何も練習できていない旅先から帰ると、なぜこんなに上手くなるのでしょう?
一体、旅先で僕らの身に何が起きているのでしょう?
そして、指先には何が宿るのでしょうか?
(続く)
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