ヒデキマツバラの猫道Blog

音楽、マインドフルネス、それにユーモアを愛するネコ目線のキャットウォークブログ

涙雨がやんだ時 〜感動で涙した78年越しのG7献花〜 - When It Stopped Raining in Hiroshima -

 

心と自然は繋がっています。

そこには目に見えない絆があります。

 

空は、心の中を映し出します。

自分だけでなく、そこに住んでいる人々、あるいは住んでいた人々の気持ちまで。

 

今年も広島と長崎では被爆者慰霊の時期を迎えています。

G7広島サミット以来、書いておきたかったことがありました。

それは広島の空模様に気づきを得た、小さくも奇跡的な発見でした。

 

 

80年後の未来像

5月に開催されたG7広島サミットで、心を打たれた一幕があります。

それは各国首脳が揃って原爆慰霊碑に献花し、追悼の祈りを捧げた瞬間でした。

 

まさかこの街で自分が生きている間に、これほど歴史的な光景を目の当たりにするなんて。

その人道的な美しさに心打たれ、僕は涙があふれて仕方ありませんでした。

 

80年前には敵国同士で戦った国々。

その現職トップが、かつて犯した過ちの犠牲を悼み、祈りを捧げるために手を携(たずさ)え、ここ広島の地で一堂に会したからです。

 

80年前、多くの人々が戦禍に晒され、明日をも知れない運命に翻弄されました。

その人々が、もしこの光景を目にしたら僕同様、誰もが目頭を拭(ぬぐ)わずにはいられないでしょう。

 

泣き始めた広島の空

話はサミット開幕前日に遡(さかのぼ)ります。

その日は、G7各国首脳が広島に到着する日でした。

これほどの要人が集結するのは、広島の歴史上で初めてのこと。

 

すると、連日のように五月晴れに恵まれていたはずの空が、にわかにかき曇りました。

その後、降り出した雨は、各国首脳を乗せた政府専用機が広島空港に降り立つたび、雨脚を増していきます。

あいにくの空模様の下、傘をさしながら飛行機のタラップを降りて来る首相たち。

 

まるで広島の空が泣いているようでした。

戦争の犠牲になった人々の涙が、空から降ってくるかのように。

 

慟哭のアメリカ大統領到着記

やがて空は、号泣を始めました。

奇しくも、バイデン大統領が岩国基地に降り立った瞬間でした。

 

エアフォースワンから降りてくるバイデンさんを、本降りの雨が濡らしていきます。

でもバイデンさんは傘をさしません。

タラップの下で出迎えた関係者と濡れたままで言葉を交わし、格納庫内で待つ兵士たちの元へ歩み寄っていきます。

 

世界に冠たるアメリカのトップとして、傘など使わず、強い指導者のイメージを見せたいのかもしれません。

でももしかしたら、バイデンさん。。。

かつて広島で瞬時に命を奪った14万人の被爆者が流している涙雨を、甘んじてその身に受けようとしているようにも見受けられました。

 

その夜、雨は決して止むことなく、G7首脳らが滞在する広島を濡らしていきました。

いつになったら降り止むのでしょう。

 

雨音に守られた祈りの地

翌朝になっても雨脚は衰えることなく、空はさめざめと泣き続けています。

その朝、平和公園周辺は、物々しい厳戒態勢に見舞われました。

間もなくここに、原爆資料館見学と慰霊碑献花のため、地球を代表する9人の要人が集結するのです。

 

周辺の物々しさと裏腹に、原爆資料館前は静かでした。

ホスト役の岸田首相夫妻の周りは、雨音だけが響いていました。

雨に守られた静寂が、首脳らの訪問を静かに待ちます。

 

やがて、プロトコル順にG7首脳が到着しました。

雨よけの下に敷かれたレッドカーペットは、すでに多量の水を含んでぬかるんでいます。

 

1人、また1人、首脳が到着します。

祈りの地に。

戦争当事国としての大義のため、今まで78年間、訪問を拒絶してきた祈りの地に。

 

涙雨がやんだ時

謝罪してもらいたいのではありません。

賠償してもらいたいのではありません。

失われた命の代償を求めているのではありません。

 

人間は過ちを犯すことを、ここで学んでください。

どうか過ちから学ぶ勇気を持ってください。

 

あなたは相手を責めるために生まれてきましたか?

それとも自分を悔いるために生まれてきましたか?

 

どちらでもありません。

あなたは全てをありのままに許すために生まれてきました。

 

非難するほどたやすいことはありません。

許すほど難しいことはありません。

どちらを選ぶかで、あなたが人生から何を受け取るか決まります。

 

空は許すことを選びました。

最後に到着したバイデン大統領が専用車から降り立った時、涙雨はやんでいました。

 

象徴的な瞬間でした。

78年経って、空はやっと涙を拭えたのです。

 

微笑みの光が射し込むには、まだ早いかもしれません。

でも人類が78年かけて過ちから学び続けていることを、空も知ったのでしょう。

 

願わくば、これから80年後、ロシアとウクライナも互いを悼み、手を携えて祈ることができますように。

 

批判を口にする前に

G7広島サミットでは賛否両論ありました。

特に失望されたのが、世界の先進国トップが集まりながら、核兵器に関して具体的な進展がなかったことでした。

 

でも冷静に考えれば、今の時代、世の中が複雑になりすぎて、問題を劇的に打開できる方策なんてありません。

そもそも全員が満足する結果なんてあり得ないのですから。

だからまず、批判を生き甲斐とする人たちの破壊的な言葉に耳を貸すのはやめましょう。

 

その代わり、もっと創造的な方法があります。

「意味のないG7サミットだった」と言う代わりに「自分レベルで何ができるか」と問いかけてみましょう。

ポイントは、日常圏内で自分の周囲を豊かにするアイディアを考えてみることです。

 

たとえば僕は、このG7献花の感動に触発されて、ピアノの演奏解釈が深まりました。

特にショパン「別れの曲」「幻想即興曲」リスト「ため息」あたりは弾き方がガラリと変わりまして。

自分の音楽性が花開くほど、それをレッスン生やファンの皆さんと共有して、平和的に豊かさを育んでいくことができます。

 

美しさを学ぶ

80年前と比べて、人類は賢くなりましたが、世界はますます混沌とする一方です。

それは脅しと抑止力で塗り固め、互いに自制心で踏みとどまった状態にあります。

 

そんな時代から何か学ぶことがあるとすれば、美しさを見つけることではないでしょうか。

自然の美しさ、芸術文化の美しさ、人の心の美しさetc

 

コンクリートの割れ目で咲きながらも見過ごされた一輪の花。

その花を愛でるような感性こそ、今の時代を生きる価値あるものにします。

 

さらに追求されたければ、フランクル博士の著作『夜と霧』のご一読をお勧めします。

絶望のアウシュビッツ強制収容所を生き延びた人々の共通点は何だったのか、克明に記されています。

 

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<記事訂正のお詫び>
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