粉雪の朝
イベント前夜、イブの夜だということも忘れ、パーティーの会場仕込みを終えて寝たのが明け方でした。
そして本番終えてからの打ち上げ後は、帰宅して床に着いたのが深夜2時。
1日8時間は睡眠が必要な僕。
休日の今日は、2日分ほど寝溜めするんだろうなぁ。
そう思っていたものですから。
爽快な気分で眠りから覚め、時計を見れば5時半。
もしや半日以上も寝明かして、夕方の5時半なのか!?
とカーテンを開けたところ、夜明け前の空に、粉雪が舞っていました。
最短距離
愛猫チロとマックの急逝を機に企画した、クリスマスイベント「ホームカミング」
大盛況で終えることができました^^
集まってくれたファンと一緒に、クリスマスを楽しむために企画したイベント。
その中に、チロとマックも加えてあげました。
これ見よがしにしたくなくて、グランドピアノの片隅にひっそりと、ね。
母の遺影の隣に、2つの骨壷を並べました。
弾いて、歌って、踊っている僕からの最短距離で。
ブロガー冥利
それにしても、ファンの方々の存在は、つくづくありがたいものです。
昨日来場された方いずれも、このブログを愛読してらして。
会うなり開口一番、相次いで愛猫を失った僕の心痛を慮(おもんばか)って、お悔やみの言葉をかけてくださいました。
その反応たるや、自分の想像以上だったものですから^^;
恐縮しながら先方に感謝の気持ちをお伝えした上で「僕ならもう大丈夫ですから」と相手の慰め役に回ったのでした(笑)
エピソード① ユーモア
イベントで、深く印象に残ったエピソードが4つほどあります。
「今日はヒデキさんに笑顔になってもらうために来ました!」
そう言って、ジョークを連発しながら、場を盛り上げてくれたのが、モコさん。
ファンに楽しんでもらいたくて開催しているはずのイベント。
なのに、僕の方が楽しんじゃってた、というね(笑)
ムードメーカーの役回りを一手に引き受けてくれたモコさん。
僕がキッチンに入っていても、絶え間なく来場者たちの楽しげな笑い声が届きます。
その賑わいがとても心地よくて、ひとりカクテル作りながら、まるで亡くなった家族や愛猫が戻ってきた心地がしました。
エピソード② 感受性
イベント終演後、スタジオの片隅へ足を向けた人がいました。
見ると、母の遺影、チロの骨壷、マックの骨壷、と順番に手を合わせて下さってます。
クララさんは、母ともニャンコたちとも接点がありません。
だからなおのこと、そのお参り姿がジーンとしみ入りました。
「こんな言い方は、相応(ふさわ)しくないかもしれないんだけれど」
僕が述べた謝意に対して、そう前置きすると、クララさんは訥々(とつとつ)と続けます。
「かけがえない存在を失っても、その悲しみを創作に転嫁して、新しい音楽をクリエイトできるヒデくんはすごいなぁ、いいなぁって」
そこには、かけがえない存在を失った者同士でしか分かち合えない、深いものがありました。
静謐(せいひつ)な贈り物のようなひとときでした。
エピソード③ 自発性
この度のイベントを告知した際、自発的にお手伝いを申し出てくれた人がいました。
動物愛あふれるサムさんは、僕の高齢猫チロとミニの病気をこのブログで読んだ時から、惜しみないサポートを続けて下さっています。
どうしても副作用を伴ってしまう投薬に代わる手段として、アメリカの最先端医療技術を取り寄せてくれ、使用しやすようネコサイズの手縫いスカーフまで4枚も手作りして下さいました。
チロがあまり苦しむ事なく天に召されたのも、18歳を迎えようとしているミニの病状が快方へと向かっているのも、サムさんのおかげなんです。
この度「チロとマックのためのクリスマスパーティー」という趣旨に、誰よりも強く賛同してくれたサムさん。
「自分にできることがあれば、何でもお手伝いさせて下さい」
有言実行のサムさん。
平日は、仕事終わりでスタジオまで駆けつけて来て、パーティー内装のお手伝い。
イベント当日は、未明から食材を仕込み、半日がかりで市内を巡っては、上質な食材の調達。
イベント最中も常に僕の右腕となって細かな要求に応じ、スムーズに会を進行していく手助けをしてくださいました。
エピソード④ 懐の深さ
あとおひと方ほど、イベントのお力添えになって下さった方がいます。
「同時期に2匹の愛猫を亡くすなんて、さぞ大変だったでしょう。イベント運営に役立てて下さい」
そう言って、多額の商品券を寄付して下さったのは、サムさんの弟さん。
この思いがけないお申し出には、ビックリしてしまいました。
なんでも自力でやることが当たり前だと思っていた自分に、他力がもたらされたのですから。
つらく困難な時には、ついつい誰からも見放された心地がするものですね。
でも不思議と、そういう時こそ、思いがけず救いの手を差し伸べてくれる人が現れるのです。
自分の置かれている境遇を嘆き、自分の可能性を封じ込め、ヒネくれ、水面下に溺れていくのは、たやすいこと。
一方、不幸な境遇とは海抜ゼロの経由地にすぎないと捉(とら)え、自分の可能性を開き、受け入れ、再出発していくのは、とても気高いこと。
この2つの選択肢のうち、後者を選んだ時、救いの手がもたらされる。
そのことを、身を以て知りました。
幸せへの道しるべ
ここ2年間のうちに、5つもの命をこの手で看取りました。
自分が失ったものは、あまりに大きかった。
でも、得たものもまた、大きかった。
周りを愉快な気持ちへと高めてくれる、モコさんのユーモア。
こちらの心の奥底にそっと着地してくれる、クララさんの感受性。
自分から行動を起こしていく、サムさんの自発性。
縁の下で物事を支えてくれる、サム弟さんの懐の深さ。
これ以上に尊い人間の資質が備わったパーティーイベントが、ほかに望めましょうか!
まるで風に遊ぶ粉雪みたいに、たくさんの思いやりと好意が降ってくる。
大好きなチロとマックを失ったピンチから、こんな素晴らしい目覚めがもたらされるなんて。
たくさんの人を幸せにしたくて、音楽活動してきました。
そんな自分が、たくさんの人から幸せにしてもらった1日でした。
皆さん、ご親切にどうもありがとう。
そして、チロ、マック、見守ってくれてどうもありがとう。
◾️ヒデキマツバラプロデュース音源◾️
新たにポール・モーリアのカバー曲を公開しました🎹
ピアニストであった僕の母が生前リリースした唯一のCDから『薔薇色のメヌエット』🌹
◾️ヒデキマツバラLIVE動画◾️
相次いで亡くなった愛猫たちに捧げる『弦楽のためのアダージョ』☦️
◾️ヒデキマツバラLIVE動画◾️
世界中のソフィー/ソフィアという名から生まれた哀愁トランス「ソフィー」❄️