ヒデキマツバラの猫道Blog

音楽、マインドフルネス、それにユーモアを愛するネコ目線のキャットウォークブログ

赤いドレスの女 〜オリジナル曲『Spanish Eyes』制作秘話〜 - The Woman in Red -

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印象的な瞳に、真っ赤なドレス。

そんなイメージで作ったオリジナル曲のことを書いていきます。

 

 

クロスカルチャー


🇪🇸SPANISH EYES ヒデキマツバラ by Hideki Matsubara feat. Caroline Lavelle (from “Breathe” by Art of Trance)

 

オリエンタルな音づかいを基調としたダンスビート。

そこに加わってくる、エンジェリックな女性ボーカル。

 

この1曲の中には、いろんな音楽の旨味を凝縮してます😋

ハウス

トランス

ラテン

プログレッシブ

ブレイクビート

ワールドミュージック

   

クロスオーバーに多種多様な音楽をミックスした、ヒデくん流バレアリック風スタイル。

そこにはイスラム神秘主義の影響を色濃く残したスペインのイメージがあります。

 

マリア・ルイーサの物語

なぜスペインなのか?

スペインを舞台にしたミュージカルのサウンドトラックとして制作したのです。

 

ミュージカル 『マリア・ルイーサの城』(2001年公演)

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美美の環スタジオの先代だった松原リディア美江が、原作・脚本ともに書き下ろした舞台作品。

ポスター挿絵もリディア美江によるもの。

 

『スパニッシュ・アイズ』が使われたのは、舞台中盤のシーン。

スペイン王室に嫁いだ主人公マリアが、王家の人々と共に踊った喜びのダンスシーンです。

 

振付も僕が担当して、フラメンコを基調に、ジャズやファンクの要素を取り入れました。

↓キャストの衣装がゴージャスなドレスで、ダンスも迫力出ました。

f:id:hidekimatsubara:20201204204231j:plain一番赤い服を着てるのは僕だけど(笑)

 

ダンスシーンを最後に、幸せだったマリアの人生は暗い影を落とすようになります。

その後の運命を暗示させる意味でも、この曲はドラマティックで、どこか陰影に満ちています。

 

ドラマを内包した音作り

音で語らせる。

それが音楽家としての使命だと思ってます。

 

サウンドでシーンを作っていく。

音の質感や重なりに、物語性や主人公の想いを描写していく。

 

特に悲劇性のある作品は、やりがいあります。

サウンドで光と影を対比することができるから。

 

加えてこの曲は、僕のオリエンタル趣味にも合致^^

イスラム的なものを現代的な音と融合するのが好きなんですね。

 

楽曲構成上でも、ドラマティックな変化をつけてシーンを作り込みました。

壮大な民族ドラムでスタートする序盤。

数々の民族楽器や、シンセサイザー特有のシークエンスサウンドをふんだんに使用してます。

 

歌がひと区切りついた後には、長いブレイク。

そこから4分の4拍子で進行するシンセ音と、ハイハットが刻む16分の3拍子が同居。

変拍子感のままブレイクビートに突入して、そこにハウスサウンドがなだれ込んできてクライマックス。

そのスリルは、こうして書いてるだけで手に汗握るほど^^

 

エンディングも大事な聞かせどころ。

リズムセクションが消えた後、1分以上にわたって、ミステリアスなパッド音と、変拍子でループさせた低音シークエンスとの奇妙な共演が展開し続けます。

 

1曲を通じて意識していたことは、リディア美江の描いたポスター挿絵。

あの印象的な瞳と、憂いある横顔が、この楽曲の全てを物語ってます。

 

ブレスレスな歌声

最後にもう一つ、天使のように美しい女性ボーカルについて。

ボーカリストの名はキャロライン・ラヴェル

彼女がボーカルを担当したアート・オブ・トランスの楽曲『Breathe』からサンプリングしました。

 

ちなみに、こんな曲です。


ART OF TRANCE - BREATHE

 

サイケデリックな直球トランス!

『スパニッシュ・アイズ』と何の脈絡もありません^^;

 

でも当時、直感的に思ったんですよね。

この声を使ったら、何か自分の作品で面白いことができる!って。

 

キャロライン・ラヴェルはもともと名門ロンドン王立音楽大学出身のチェロ奏者。

異ジャンルにまたがって、数々の大物アーティストの楽曲で客演してます。

 

その一例を挙げてみると

ワールドミュージック

ヴァンゲリスピーター・ガブリエル、ロリーナ・マッケニット、アフロケルトサウンドシステム等

ロック系

レディオヘッドチーフタンズ、ミューズ等

●トランス系

BT、シケイン

 

めまい起きそう!

どれも各ジャンルで伝説的なアーティストばかり!

 

先日も書いた通りクラシック音楽をバックグランドにしている人は、声楽を習ってなくても不思議と声質が美的で知的。

これら音楽レジェンド達も、彼女のパフォーマンスにうっとり聞き惚れたんだろうなぁ❤️

 

関連アーティスト プロフ

CAROLINE LAVELLE キャロライン・ラヴェル

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UK出身のチェロ奏者/シンガーソングライター。

ロンドンの名門、王立音楽大学出身。当初はバロック音楽のチェロ奏者として活動。

その後Massive Attackマッシブ・アタック)作品でボーカルを提供、名プロデューサーWilliam Orbit(ウィリアム・オービット)の耳にとまりソロデビュー。

ワールドミュージックからロック、トランスまで、数々の著名アーティスト作品に客演。

 

ART OF TRANCE アート・オブ・トランス

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UKの老舗トランスレーベルPlatipus Records(プラティプス・レコード)を設立したプロデューサーSimon Berry(サイモン・ベリー)によるソロプロジェクト。

サイケデリックトランス/アシッドトランスをベースにしながらも、オプティミスティック(楽観的)で白昼夢のような音づかいが特徴的。

のちに世界中でメガヒットしたロバート・マイルズ『Children』を最初にライセンスしたのもこのお方!

 

 

◾️美美の環ミュージカル動画◾️

ミュージカル『音楽名曲物語』よりエセニヤさんの幻想的なダンス💃


【美美の環ミュージカル】アラビアの踊り 組曲『くるみ割り人形』(チャイコフスキー) by Eseniya エセニヤ Arab Dance from The Nutcracker Tchaikovsky

 

◾️ヒデキマツバラLIVE動画◾️

オリエンタル系エレクトロニカ「ミスティーク」💫


MYSTIQUE ヒデキマツバラ by Hideki Matsubara