ネコに投薬するの、ひと苦労ですよね^^;
今日の記事がご参考なれば幸いです^^
ちなみに、これまでの記事を読まれて心配の声が寄せられました。
「ヒデくんちのネコちゃん、そんなことになってたなんて...」
これを読み終えたらさらに心配させることになるかも、です^^;
前回までの記事はこちらで
本当の病は甲状腺だった
腎臓の数値が正常になって万歳!
と思っていたら、それは偽りだと判明した愛猫ミニ。
検査結果では腎臓が良くなっているように見せかけ、その裏で進行していた本当の病。
それは「甲状腺機能亢進症」でした。
偶然でしょうか。
ミニのお兄ちゃんだったチロと同じ病気です。
この病気は、甲状腺の機能が活発化してしまう病で、高齢ネコがかかるとのこと。
行動力が増して、食欲も旺盛になるので、むしろ健康的に見えてしまいます。
が、食べても食べても痩せていくのです。
人間の場合は、バセドウ病とも呼ばれていますね。
体重減少のほか、動悸、息切れ、震え、発汗過多、甲状腺の腫れ、といった症状が現れるので、気になる方は病院で診てもらいましょう。内分泌科だそうです。
第三の腕が欲しくなる時
甲状腺機能亢進症と診断されたミニに、薬が処方されます。
「1日2回、朝と夜に飲ませてください」
錠剤を前にして、僕はため息をつきました。
ネコに投薬するには、口を両側からこじ開けて、のどに向かって薬を落とし込む必要があります。
薬がのどに詰まりそうに思われるかもしれませんが、うまく飲み込ませるためにはそうするしかありません。
犬と違って、ネコは口呼吸ができない動物なので、投薬する側もされる側も大変です。
ネコにとって、それは息ができないほど負担になるので、パニックになるニャンコもいるくらい。
そして飼い主にとっては、第三の腕が欲しくなるほど困難な作業なのです^^;
まず、右手の親指と人差し指で薬を持ちます。
そしたら、残りの指と左手を駆使して、ネコの顔を上に向けながら、両側から口を大きく開かせっぱなしにします。
そこで、右手の親指と人差し指だけ力を緩めて、薬をのどに落とす、というわけ^^;
これまでもチロたち老猫を相手に、それはそれは苦労したものです。
薬を落とす角度やタイミングが合わないと、口からポロリとこぼれてしまい、何度もやり直す羽目に。
うまくいかない時は、10回やってもうまくいきません(T_T)
ネコは苦しがるし、僕はイライラが募って八つ当たりしたくなるほどです。。。
傷だらけの飼い主
痛い思いをしたことも数知れず。。。
必死に口を閉じようとするニャンコの牙が刺さりまくって、僕の指先は傷だらけ(T_T)
「ヒデキ先生、その手、どうされたんですか!?」教室スタッフから悲鳴が上がるほど。
ここ2年というもの、僕の指先はいつも血に染まってボロボロでした(T_T)
見るも無残な指先を人目から隠しておきたくても、ピアノを教える立場上、生徒たちの前に晒さなくてはなりません。。。
おまけに傷口がどんどん割れていくものですから、痛くて指を広げられず、ピアノが弾けない日もありました(T_T)
そこで投薬の際、厚手の手袋でガードしてみるも、それだと薬がうまくつかめません。
では薄いビニール手袋では?と試したら、薬が手袋にひっついて離れないというね^^;
処方される錠剤の種類が増えるほど、投薬回数も増えるわけです。。。
最終手段で、粉状にすりつぶしてエサに混ぜるんですが、そうするとネコが食べてくれないんです(T_T)
結局、エサも薬も全部ゴミ箱行き同然で、ネコは痩せていくばかり。。。
だから、自分の指先を犠牲にしながら投薬するよりほかありませんでした(>_<。)
ミニが喜ぶ合言葉
また、あんな痛い思いをしなきゃいけないのか。。。
気が重くなるのも当然でした。
これからずっと、ミニが生きている限り、甲状腺の薬を投与し続けなければならないのですから。。。
そこで、ひらめきました。
考えるだけで気が重いんだったら、考えなきゃいいんだ。
どっちみち投薬しないといけないんだったら、投薬そのものを楽しんでしまおう!
で、投薬前の声かけを変えました。
「お薬の時間よ〜」と言う代わりに「お薬、ポンしよ〜」
なんだか、楽しげな響きがしますね^^
言ってる僕まで、気持ちが浮き立ちます。
すると不思議なもので。
ミニも1回でパクンと薬を飲み込んでくれるではありませんか!
「わ〜、偉いねぇ! ミニ、1回でポンちゃん出来たねぇ!」
そう言って頭を撫でてキスしてあげると、ミニも嬉しそうに目を細めます。
こんな具合で「おくすりポン」が功を奏したのか、ミニの投薬には手こずりません。
僕の指先も順調に回復中です^^
「ミ〜たん、ポンちゃんしよ〜」
「ミ〜子、ポンちゃんのお時間よ〜」
今日も僕の呼び声がネコ部屋に届くと、ミニが小首を傾げながらいい子で待ってます^^
投薬に苦労している飼い主さん、ぜひ試してみてください。
ポイントは「は〜い、ポンちゃん」と言いながら薬を落とすこと^^
ミニの次なる異変
こうして怪獣になったミニちゃんの大騒動は、幕を閉じました。
やっと我が家に平穏な暮らしが戻ってくる!
そう安堵したのも束の間。
再びミニが鳴き始めました。
今度は頭痛がする雄叫びではなく、のどの奥から絞り出すように低い声です。
そればかりか、歩くと足元がふらついています。
どうしたのでしょう?
原因がまるでわかりません。
初秋の正午でした。
ミニをベランダに連れ出して、日向ぼっこ。
やがてポカポカ陽気を堪能したミニは、室内に入っていきました。
見ると、リビングをうろうろしているミニ。
その足取りは、いつになくフラフラして不安定です。
「トイレ? だったらお部屋に戻ろ」
ネコ部屋へと続く廊下へ、ミニを導きます。
廊下のドアは、8割ほど開いていました。
ところがミニは、ドアが開いている8割の側ではなく、2割の側、つまりドアと壁に挟まれた突き当たりの蝶番(ちょうつがい)めがけて歩いていくではありませんか。
そして蝶番に顔をぶつけると、通せんぼされた幼児みたいに戸惑いながら、狭い空間を行ったり来たりしています。
え?
イヤな予感がしました。
もしかして、ミニ。。。
目が見えてない!?
(続く)
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