比類なき存在感
まだ洋楽を聴き始めたばかりの頃でした。
スキンヘッドの女性が、故プリンスのカバー曲『Nothing Compares 2 U 〜愛の哀しみ〜』を歌い上げています。
それがシニード・オコナーでした。
目鼻立ちのはっきりした容姿。
美しきメロディー。
憂いを帯びた表情。
それと、痛々しいまでに力強い歌声。
すべてが合まって、比類なき強烈な印象を放っていました。
眠れぬ夜の悲報
不意に目覚めたら、深夜3時を回ったところでした。
なぜかそのまま寝つけず、ふらりと応接間へ。
考えなしにつけたテレビ。
釘付けになったのは、アメリカCNNのニュース速報。
Sinead O'connor dies age 56
(シニード・オコナー、56歳で死去)
呆然としてしまいました。
と同時に、やはりこういう結末になってしまったか、とも。
苦難の道
CNNでは、彼女の過去30年分の音楽家人生が、ほんの3分間の映像として映し出されてゆきます。
23歳にして、アイルランドから世界的シンガーとなった絶頂期。
その2年後、生放送の歌い終わりで「真の敵と戦おう」と言ってローマ法王の写真を破り捨て、西洋社会全体から非難を浴びることになった前代未聞のパフォーマンス。
その後、新興カトリック教会の女性司祭になったかと思えば、イスラム教に改宗、常に精神病を患って何度も自殺未遂。
いずれのエピソードも、僕みたいな昔気質の洋楽ファンには馴染みあるものばかり。
思えば、彼女の人生は苦難の連続でした。
母親から虐待された幼少期。
そして、自身の向こう見ずな行動が世界中から論争の的にされ、ブーイングを浴び続けた30年間。
昨年には精神病だった息子が自死してしまい、後追い自殺をほのめかすツイートにより、警察がシニードの保護に乗り出したほど。
それでも、音楽を心の糧にして生き抜いてきたはず。
そんな彼女がついに自ら死を選んでしまったのか?
ネットに飛びつきましたが、まだ深夜という時間帯、どの日本メディアも報じていません。
海外サイトでも死因は伏せられ、結局CNNニュース以上の情報は得られませんでした。
世界的著名人の死がもたらす喪失感
世界的な著名人という存在は、まるで僕らの心の壁紙を埋めている模様の一端だと思いませんか?
たとえ自分がその著名人に特別な思い入れはなくても。
自分でも無意識のうちに、その著名人の存在や活動が、自分の日常の一部みたいになっている気がするのです。
だからこそ、死去の報道に接するたび、自分の一部が失われたような気持ちを味わいます。
それは、心の壁紙の模様がほんの一部、剥がれてしまったぐらいの喪失感。
その程度に過ぎないはずなのだけど、剥がれた壁の空白部分がやたら目についてしまう。
それくらい影響力を過小評価できない喪失感。
今朝未明のシニード・オコナー死去のニュースで、思いがけず心の空白を覚えた僕。
今夜は『Nothing Compares 2 U』に耳を傾けながら休むことにします。
どうぞ安らかにお眠りください。
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