ヒデキマツバラの猫道Blog

音楽、マインドフルネス、それにユーモアを愛するネコ目線のキャットウォークブログ

シニード・オコナーの死に寄せて 〜世界的著名人の死がもたらす喪失感〜 - Nothing Compares to Sinead -

シニード・オコナー(1966 - 2023)

 

比類なき存在感

まだ洋楽を聴き始めたばかりの頃でした。

スキンヘッドの女性が、故プリンスのカバー曲『Nothing Compares 2 U 〜愛の哀しみ〜』を歌い上げています。

それがシニード・オコナーでした。

 

 

目鼻立ちのはっきりした容姿。

美しきメロディー。

憂いを帯びた表情。

それと、痛々しいまでに力強い歌声。

すべてが合まって、比類なき強烈な印象を放っていました。

 

眠れぬ夜の悲報

不意に目覚めたら、深夜3時を回ったところでした。

なぜかそのまま寝つけず、ふらりと応接間へ。

 

考えなしにつけたテレビ。

釘付けになったのは、アメリカCNNのニュース速報。

 

Sinead O'connor dies age 56

(シニード・オコナー、56歳で死去)

 

呆然としてしまいました。

と同時に、やはりこういう結末になってしまったか、とも。

 

苦難の道

CNNでは、彼女の過去30年分の音楽家人生が、ほんの3分間の映像として映し出されてゆきます。

23歳にして、アイルランドから世界的シンガーとなった絶頂期。

その2年後、生放送の歌い終わりで「真の敵と戦おう」と言ってローマ法王の写真を破り捨て、西洋社会全体から非難を浴びることになった前代未聞のパフォーマンス。

その後、新興カトリック教会の女性司祭になったかと思えば、イスラム教に改宗、常に精神病を患って何度も自殺未遂。

いずれのエピソードも、僕みたいな昔気質の洋楽ファンには馴染みあるものばかり。

 

思えば、彼女の人生は苦難の連続でした。

母親から虐待された幼少期。

カトリック聖職者から暴力と性的虐待を受けた思春期。

そして、自身の向こう見ずな行動が世界中から論争の的にされ、ブーイングを浴び続けた30年間。

昨年には精神病だった息子が自死してしまい、後追い自殺をほのめかすツイートにより、警察がシニードの保護に乗り出したほど。

 

それでも、音楽を心の糧にして生き抜いてきたはず。

そんな彼女がついに自ら死を選んでしまったのか?

 

ネットに飛びつきましたが、まだ深夜という時間帯、どの日本メディアも報じていません。

海外サイトでも死因は伏せられ、結局CNNニュース以上の情報は得られませんでした。

 

世界的著名人の死がもたらす喪失感

世界的な著名人という存在は、まるで僕らの心の壁紙を埋めている模様の一端だと思いませんか?

たとえ自分がその著名人に特別な思い入れはなくても。

 

自分でも無意識のうちに、その著名人の存在や活動が、自分の日常の一部みたいになっている気がするのです。

だからこそ、死去の報道に接するたび、自分の一部が失われたような気持ちを味わいます。

 

それは、心の壁紙の模様がほんの一部、剥がれてしまったぐらいの喪失感。

その程度に過ぎないはずなのだけど、剥がれた壁の空白部分がやたら目についてしまう。

それくらい影響力を過小評価できない喪失感。

 

今朝未明のシニード・オコナー死去のニュースで、思いがけず心の空白を覚えた僕。

今夜は『Nothing Compares 2 U』に耳を傾けながら休むことにします。

 

どうぞ安らかにお眠りください。

 

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