ヒデキマツバラの猫道Blog

愛猫家ミュージシャン、ヒデキマツバラのキャットウォークブログ

神の速度に達する時 BT - Godspeed

 

先日告知した3月のカクテルパーティーGODSPEED

 

hidekimatsubara.hatenablog.com

 

このGodspeedという言葉が大好きなんです。

今日はこの素敵な言葉の由来について、いろいろ書いて参りますね。

 

 

古英語の魅力

ゴッドスピード

直訳すれば、神の速度(!)

文字通り神がかりで詩的な響きですよね。

 

この言葉、耳馴染みがなくて当然。

現在では使われなくなった古(いにしえ)の英語なのです。

 

Godspeed = a successful journey(旅のご成功、ご無事を)

というニュアンスでかつては使われていました。

現代風に言えば「Have a nice trip!」ですね。

  

ジャーニー(旅)=人生の旅路

というように、もっと広義なニュアンスでとらえれば

「あなたの人生のご成功をお祈りします」という壮大な表現にもなり得ます。

 

使い方としては

Godspeed you!

Godspeed to you!

I wish you Godspeed!

どれも同じ意味で、相手が進もうとしている道の安全や成功を祈願し励ます表現です。

 

もちろん今では廃れてしまった古語なので、欧米の友人に「Godspeed you!」と声をかけてあげても、相手は「???」でしょうね^^

 

神の速度

それにしても「旅のご無事を祈る」ことと「神の速度」

両者は一体どう関連しているのでしょうか?

 

詳しく知りたくて調べたところ、アメリカのネットフォーラムにこんな書き込みを見つけました。

 

This comes from a long time ago, at least from Middle Ages. People were generally associated with a church and God. The world was a dangerous place. So, saying "Godspeed" wished the person would be successful, in a reasonable amount of time, in effect, protected by God. This all occurred before the discovery of "light speed", "the speed of sound", and other interesting "speeds" we now have knowledge about.

訳してみますと、

ゴッドスピード」という言葉は、はるか昔、少なくとも中世に由来している言葉なんだよ。 

その頃の人々は一般的に教会や神と繋がっていたでしょ。

当時世の中は物騒だったから「ゴッドスピード」と相手に言ってあげることで、神のご加護によって妥当な時間のうちに無事成功するように願ったわけ。

すべてはまだ光速や音速とか、現代人が知り得ている「スピード」にまつわる興味深い知識が発見される以前の出来事なんだね。

  

ちなみにヨーロッパにおける中世とは、西ローマ帝国の滅亡(476年)から東ローマ帝国の滅亡(1453年)までを指します。

なるほど、日本でもそんな時代に旅をしようものなら命がけだったわけで。

時代背景から生まれた言葉だったんですね。 

 

「スピード」の真の意味

さらに調べてみたところ、正確には

God speed you!

と書くみたいです。

 

あれ、「スピード」って名詞だけでなく、もしかして動詞にもなれるんですか?

さっそく辞書、辞書♪

 

「急がせる」

「速やかに行かせる」 

へぇ〜、「スピード」にはそんな意味もあるんですね。

 

では「God speed you」の意味は「神様があなたを速やかに行かせますように」??

と思いきや、スピードという動詞には別の意味がありました。

 

「成功させる」

「繁栄させる」

 

なんと!そんな意味まで!

これもやはり古語として廃れてしまったニュアンスとのこと。

 

つまり「God speed you!」は「神があなたを成功させますように!」

なんと偉大な言葉!

「God bless you」(あなたに神の祝福あれ)に近いですね。

 

そうなると「スピード」っていうのは成功や繁栄を証明するものなんですね!

light speed(光速)=光の繁栄

the speed of sound(音速)=音の繁栄

car speed(車の速度)=車の繁栄

 

だから言葉って面白い♪

 

BTの挑戦

続いては、僕がGodspeedという言葉を知ったきっかけです。

それはBT(ブライアン・トランソー)というプログレッシブトランス系アーティストが1998年に発表したシングルでした。

 

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この楽曲は、彼のセカンドアルバムからサードアルバムへの橋渡しになった作品です。

セカンドアルバム「ESCM」は「2001年宇宙の旅」に登場するモノリスをモチーフにした一連のアートデザインが話題を呼んだ不朽の名作。

サードアルバム「Movement In Still Life」は脱トランスの契機となった野心作。

 

アメリカ人のBTは、サウンドから作風に至るまで完全にイギリス的。

そんな彼の才能をいち早く見出したのもイギリスのDJたちでした。

よってBTは当時まだアメリカでは無名、UKではカリスマでした。

 

そんな彼のUKでのキャリアもまた、この時期ちょうど転機を迎えていました。

DJポール・オーケンフォールドが設立した名門ダンスレーベルPerfecto(パーフェクト)レコードの看板アーティストだった彼が、新興プログレッシブハウスレーベルRenaissanse(ルネサンス)レコードに移籍したのです。

 

唯一無二のクリエイティブな彼のこと。

音楽的にもキャリア的にも冒険に出たわけですね。

 

そんなタイミングでリリースしたこの楽曲。

だからこそ「Godspeed(成功を祈る)」と銘打ったのでしょう。

 

スペースシャトル発射

この楽曲には深く印象に焼きついているエピソードがあるんです。

実際にサウンドを聴きながら、続きをどうぞ。

 

www.youtube.com

 

ある晩、深夜にテレビをつけたら、CNNでスペースシャトルの打ち上げを生中継していました。

画面の向こうでは、抜けるように青い空を背景に、白い機体がそそり立っています。

 

まだ打ち上げまでには数十分。

のどかなケープカナベラルの海と空。

延々と続くキャスターの解説。

退屈した僕は、BTの新譜をかけ始めました。

 

やがてシャトルの打ち上げに向け、ついにカウントダウン。 

そのタイミングで手元のステレオから流れ始めたのが「Godspeed」でした。

実を言うと、この曲、個人的には可もなく不可もなくという曲で^^;

 

ところがです。

点火したシャトルが力強く火を吹きながら押し出され、天空へ向けてグングン舞い上がっていくエネルギッシュな映像。

そこに「Godspeed」のサウンドがあまりにもマッチして、うおぉぉぉぉ!

深く感動してしまいました!

 

CDジャケットが象徴する、流麗で白くトランシーなサウンド

そして輝くばかりに青い虚空へと上昇するスペースシャトルの白い機体。

シャトルの後に引かれていく一本の白い痕跡。

 

それはまさしくゴッドスピード(成功を祈る)な瞬間でした。

しかもシャトルの速度となると、人類史上最も神がかりなスピードではありませんか!

人類の繁栄の極みですね。

 

BTはスペースシャトルの発射をイメージしてこの楽曲を作ったに違いない!

今でも僕は勝手にそう信じ込んでいるのです^^

 

そんなわけで、来月のカクテルパーティーGODSPEEDはいろんな意味合いを込めて打ち上げたいです!!

 

DJヒデキマツバラ presents カクテルパーティー
GODSPEED 

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【Date】2020-03-15(Sun)14:00 - 15:50
【Place】Miminowa Music Studio
【Admission】 ¥2750 (with Special Cocktails & Spring Tapas)
【Performance】DJヒデキマツバラ、MAYUMI、SAM、エセニヤ
【Reservation】ヒデキマツバラTwitterまでご連絡ください(2020/03/08ご予約〆切)

 

母と共作した「アイラブ平和大通り」ピアノを弾いてる母の上にもシャボン玉が舞い降ります。


I LOVE 平和大通り by ミュージックハウス美美の環 松原リディア美江 ヒデキマツバラ