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次なる曲は、オリジナルバラード『トップ・プライオリティ』
長いリスナーさんには、僕のバラード作品といえば、まずこの歌を思い浮かべる方が多いかと。
この歌、歌詞がすごいんです^^
作詞を志してる方にも必見の記事です!
逢瀬を重ねるほど遠ざかる君へ
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TOP PRIORITY
作詞・作曲・編曲/ヒデキマツバラ
さっき愛したばかりなのに
もう君が恋しくて
声を聴かせて ただ一言
ねぇ 僕しか見えぬと
明日なんていらない
今さえあれば
一秒ごとに 感じている
君の鼓動 加速していく
ルージュぬぐった素顔が好きさ
またガキみたいと笑われるかな
僕の一番大事な人
そう この胸の中で
愛のささやき 奏でていて
ねぇ 嘘でもいいから
逢瀬を重ねても 君には遠く
触れたぐらいじゃ
叶えられぬ 深い愛
ごまかすように
人目かまわず キスしてはハグ
またやりすぎだと叱られるかな
もし今 僕が息絶えたら
ねぇ 泣いてくれるかな
ジョーク交じりに 肩を抱けば
あぁ 切なさこぼれる
君の一番大事な人
そう 僕ではなくても
気持ちが走る 愚かなまで
もう止められぬハート
叶わぬ恋
目につくのは、切実なフレーズ。
「さっき愛したばかりなのにもう」「明日なんていらない」「ガキみたいと笑われるかな」「嘘でもいいからこの胸で愛をささやいて」「逢瀬を重ねるほど遠ざかる」「触れたぐらいじゃ叶わぬ深い愛」「人目かまわずキスしてハグ」「今僕が息絶えたら泣いてくれる?」「愚かなまでに止められぬハート」
ここで歌われているのは、年上女性への叶わぬ恋心。
相手の女性には、すでに本命がいるか、はたまた既婚者か、そんな設定です。
主人公の男の子は、年上女性の気まぐれな浮気心に弄(もてあそ)ばれているにすぎません。
主人公はそうと知りつつ、相手への愛しさを募らせるばかり。
そうやって叶わぬ恋、許されざる恋、不埒(ふらち)な恋に走る、いかにも若者ならではの刹那的なラブソングです。
相手の気をひこうと、主人公はいろんなことをします。
「口紅をつけない方が好きだ」とガキっぽいことを言ってみたり。
叱られると分かっていながら、公衆の面前でキス&ハグしたり。
歌を作る究極の秘訣
実はこの歌、僕の実体験で。。。
というのはもちろんジョークです(笑)
作詞を志してる人たちに、まずひとつアドバイスが。
自分自身を主人公にしてはなりません!(笑)
自分のことを歌い始めたら、独りよがりでナルシストな日記の出来上がりです。
他人の日記なんて、大衆は見向きもしません。
見ず知らずの人の日記なんて、あなたも興味ないでしょう?
第一、自分のことを歌にできるのは、せいぜい数曲まで。
それ以上書こうとしても、三日坊主の日記のように、あなたの創作意欲は衰えていくでしょう。
創作意欲を掻き立てるものは、その歌にしかないドラマ性を描ききること。
そして人が求めているのは、その歌に内包されたドラマ性に共感すること。
では、ドラマ性とはどうやったら生み出せるのでしょう?
ドラマ性に富んだ歌を作る究極の秘訣、それは人間観察にあります。
人から愛される歌を作ることのできるアーティストやソングライターたちは、いずれも人間観察の達人です。
例えばユーミンこと松任谷由実さんは、カフェで隣の席から漏れ聞こえてくる女性たちの恋の悩みに耳を傾けているのだとか。
例えばマドンナは、ディスコやナイトクラブにペンとノートを持参するのだとか。
人間観察と一口に言っても、いろいろあります。
そこで次章から、本作『トップ・プライオリティー』のユニークな生い立ちを材料にしながら、その一例をお話ししていきましょう。
フォトジェニックな村上くん
キラリと光るものを持った人を見つけるたび、僕のアンテナが反応します。
この人を主人公にしたら、どんな歌が書けるだろう?と。
村上くんがそうでした。
行きつけのアパレルショップにお勤めしているイケメン店員くん。
彼は標準的なイケメンではありません。
「ペルシアから吹いてくる風を感じさせるイケメン」なのです!
フォトジェニックで、何をやってもサマになります。
ちょっとボディーバッグを肩に引っ掛けただけで、ファッション誌の1ページかと見紛うが如く絵になるのですから。
すっかり魅せられた僕は、猛烈にそのバッグが欲しくなるというね(笑)
整った容姿に加え、動いても映える人となると、なかなか世間にいません。
なんでモデル目指さなかったの?と村上くんに尋ねたほど。
すると案の定、ほどなくして全国区のメンズファッション誌で誌面を飾る村上くんの姿が!
うん、やっぱり自分の目は確かだったと実感しました^^
接客を超えた接客
さらに村上くんを特徴づけていたのは、オープンで人懐っこい性格。
まるで親友とショッピングしてるように居心地よくなる人なのでした。
例えば、僕がコートを試着しようとしてサイズが切れていたら
「同じサイズなんで」とバックヤードから自身のコートを取り出してきて、ふぁさっと着せ掛けてくれます。
ちょうど友達が「ほらこれ着てごらんよ」とでも言うように。
その時、ふとコートから何か香ってくる。
ヒ「あー、なんかすごいいい匂い」
村「え、ホントですか!?(クンクン)僕にはわかんないですけど」
ヒ「なんの香水使ってる?」
村「レディースものでフェラガモのインカントって香水、彼女と共用してるんです」
そう言って、再びバックヤードから実物を持ってきては、香水の話で盛り上がる。
万事そんな調子で、商売っ気なくおしゃべりに興じる村上くん。
僕はあたかも彼の部屋に遊びに来たような気分になるのでした。
ひらめきは人間観察からやってくる
グッドルッキング、映える仕草、愛すべき人柄。
こんな男を女性がほっておくはずがありません。
では、どんな女性が彼とマッチするだろう?
かわいい年下女性ではないな。
大人っぽい年上女性から愛されるタイプ。
そうやって彼という人間を分析していくうちに、ひらめくのです。
彼が、もし恋に翻弄されるとしたら、どんな歌ができるだろう?
そこに見えてきた主人公像は、背伸びしながら年上女性に恋い焦がれる男の姿でした。
(続く)
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