芸術の秋してますか?^^
まずは新着動画からご紹介していきます。
モーツァルトに扮して奏でているのは、バッハの神曲『アリオーソ』
美美の環ミュージカル『名曲物語〜クリスマス夜話〜』(原作・脚本/松原リディア美江) からのワンシーンです。
本日は、芸術の秋らしい記事とまいりましょう^^
十代の天才音楽家たち
この夏、とてつもない才能を持った15歳と16歳に出会いました。
ピアノ 岡野純大さん (16) *写真右
ショパン国際コンクールアジア大会を始め、数々のコンクールに入賞されています。
バイオリン 平石英心リチャードさん (15) *写真左
日本とウクライナのハーフで、ドイツに音楽留学中です。
彼らの奏でる音楽の美しさとダイナミズム。
演奏力はもちろん、高度な音楽解釈能力。
さらに特筆すべきは、人なつっこい人柄。
という、とびきりナイスガイたちなのです^^
亡き母が引き寄せた出会い
それは偶然の出会いでした。
クリスチャンだった亡き母の追悼のため、2年ぶりに訪れたルーテル教会。
そこでたまたま耳にしたのが、彼らの生演奏でした。
去年からルーテル教会で開催されるようになった「お盆ミサ」
これまで昇天した信者さんたちを偲ぶ催しで、聖堂には全員の顔写真がずらりと並べられます。もちろん母のも。
あいにく去年は仕事で参列できませんでした。
が、今年はお盆のその日だけ、レッスンもセラピーも入っていません。
「さぁ、あなたのスケジュールは空けておきましたよ。どうぞ参加してちょうだい」
そう言って、亡き母が僕を招いてるような気がしました。
衝撃の平均律
今年のお盆ミサで、演奏奉仕としてゲスト出演したのが、岡野くんと平石くん。
プログラム1曲目は、岡野くんのピアノソロから始まりました。
バッハの平均律 第1巻の23番。
その演奏に衝撃を受けました。
なんと神々しいまでの麗しさ!
なんと崇高なる芸術性!
まるで神の国の音楽を耳にしているような喜びに、僕は陶酔しました。
わずか16歳の男の子の指先からほとばしる音色が、神の声のように教会中に響いていきます。
その伸びやかで耽美な音色は、まるでピアノが歌っているかのよう。
ひたすらピュアで、10代の少年らしい純粋さに満ちた音。
なのに不思議と、達観した大人のように熟成された音でもありました。
ピアノと対話しているような岡野くんの演奏は、ひたむきで真摯。
まるで青い炎に包まれた、敬虔な祈りのようでした。
プレリュードに続いてフーガ。
あぁ、このままずっと岡野くんのピアノに浸っていたい。
夢のような数分間。
彼こそ生まれながらのピアニストだと直感しました。
タイスとの再会
プログラム2曲めからは、平石くんのバイオリンが加わってアンサンブル。
この平石くんがまた、大人顔負けの成熟した深く熱い音色を聴かせてくれるではありませんか。
彼らの音楽と出会えたのは、天の思し召しに違いない!
そんな境地に思い至ったのは、プログラム最後を締めくくった3曲めのこと。
聞き覚えのあるピアノのイントロに導かれ、バイオリンが奏で始めたのは、まさに僕にとって特別な曲だったのです。
『タイスの瞑想曲』(マスネー作曲)
それは、かつて母のピアノレパートリーでもありました。
優美で神々しく、母性に満ちた『タイスの瞑想曲』
息子である僕にとって、母という人物はまるで『タイスの瞑想曲」の化身のような人でした。
母が亡くなってこの3年、毎日『タイスの瞑想曲』を弾いては、天国の母に届けています。
一昨年前に開催した偲ぶ会や、今年の三回忌イベントでも演奏する機会がありました。
タイスの瞑想曲については、こちらの過去記事で
そんな思い入れのある『タイス』を、まさか岡野くんたちが奏でてくれようとは。
これが10代半ばの少年たちが奏でる音なのか!?というほど高い完成度で。
天国の母も、彼らの演奏に喜んで耳を傾けたことでしょう。
彼らの音楽との運命的な出会いは、僕の大いなる喜びでした。
心から尊敬できる若き音楽家を2人も見つけたのですから。
彼らの芸術性にもっと関わっていたい。
ミサが終わるや否や、僕は2人の元へ駆け寄ったのでした。
素顔のティーンエイジャー
彼らと直に話してみて、二度惚れでした(笑)
その快活で親しみやすい人柄ときたら、まぁ!
ステージではプロ級、ステージを降りたら素顔のお人好しな10代^^
いろんな話が聞けました。
お盆ミサの演奏依頼が舞い込んだのは、たった2日前(!)だったこと。
僕が打ち震えたあの『平均律』は、当初演奏する予定がなかったこと。
「本当はショパンのエチュードを弾こうとしていたんです」と岡野くん。
「でもミサが始まったら、教会の雰囲気がすごく独特で。ショパンはミスマッチだなぁって思って、土壇場で変更したんです」
マネージャーである岡野くんのお母様まで話の輪に加わり「びっくりしたわよ。急に平均律を弾きだすんだもの。5〜6ヶ月は弾いてなかったでしょ」
なんと! 半年も練習してなくて、あの完成度ですか!
天性を持った人とは彼のような人のことなんだなぁ、とため息が漏れました。
ウクライナ支援コンサート
彼らの豊かな芸術性に触れたことで、すっかり感化された僕。
岡野くんのような音色を出したい。
そう意識しながら、真摯にピアノに向かう日々です。
ちなみに広島出身の岡野くんたちは、この春のウクライナ侵攻以来、市内各所でウクライナ支援コンサートを開催してきたとのこと。
各テレビ局や新聞紙面でも、その活動が広く報じられているようです。
先月9月の頭には、その13回目の公演が東区民ホールで開催され、喜び勇んで足を運んできました。
「これだけは絶対に聴いておいてほしい価値ある演奏だから!」
とピアノクラスの教え子たちにも声をかけたところ、12人ほどが参加してくれました。
当日のプログラムは、ワルトシュタインやラフマニノフのソナタ等。
それはもう堂々とした迫力ある演奏で、聴衆を魅了したことは言うまでもありません。
うちの教え子たちも、レッスンだけでは学べない何かを、彼らの演奏から学んでくれたことでしょう。
締めとなったアンコール曲は『タイスの瞑想曲』
あぁ、それはもう、胸に染み入る演奏でした。
実を言うと、お盆ミサの後「9月のコンサートでも『タイス』演奏してくれますか?」と僕から迫ったところ、
「プログラムには記載しませんけど、アンコールにやりますよ!」
とマネージャーである平石くんのお母様エレナさんが確約してくれたのでした^^
実力のある彼らが世界中から賞賛される日は、そう遠くないでしょう!
今後も引き続き、彼らのことをサポートしていきたいです。
それにしても、母のことがなければ、知り会えなかったであろう若き才能たち。
思えば、まだ幼児だった頃から、母に連れられ、週1度は世界の名だたるピアニストたちのリサイタルを体感してきたものです。
母は死してもなお、僕に素敵な音楽家たちを引き合わせてくれているんだな、と胸が熱くなりました。
◾️ヒデキマツバラLIVE動画◾️
晩夏の海をイメージしたオリジナルソング『アフロディーテ』🐚
◾️ヒデキマツバラLIVE動画◾️
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