フランス生まれで、世界中どこよりも日本で大人気の絵本シリーズといえば「リサとガスパール」
キャラクターの愛らしさと相まって、フランス流ジョークと遊び心あふれるストーリーは、むしろ僕ら大人読者を楽しませてくれます♪
幻のシリーズ第1作目を入手
リサガス絵本が誕生して、来年で25周年。
ところが不思議なことに、1999年にフランス本国で出版されたシリーズ第1作目は、なぜか日本では出版されませんでした。
ガスパールがベネチアの運河で大冒険しているストーリーらしい。
ガスパールびいきのボクとしては、読まないではいられず^^
いざ、アメリカ版の古本を入手してみたら、、、
面白いのなんの!
この面白さをリサガスファンのあなたとシェアしたい!
というわけで、全文を訳して公開することにしました。
幻の第1作目「Gaspard à Venise(ガスパール ヴェニスへ行く)」のアメリカ版「Garpard on Vacation(ガスパールの休暇)」(2001年出版)の全訳です。
各ページの文章は段落ごとにまとめました。
できれば絵も全て撮りおろして掲載したいところですが、著作権保護の観点から、オンライン洋書店で公式に公開されているものだけをピックアップしました。(一部フランス語版も含まれます)
最後までお楽しみください^^
ガスパールのベネチア冒険記(日本語訳)
ボクは ガスパール
旅に出るの 大好き
ボクの休暇先 どこだと思う?
ベネチアだよ!
家族旅行で来てるんだ
パパにママ お兄ちゃん それに ちっちゃな妹ルイーズもね
みんなで 何してるかというと
朝から晩まで 博物館巡り
はぁ〜 ウンザリ
博物館 博物館 またまた博物館
みんなで 次の博物館へ入ろうとした その時
小さな赤いカヤックが 目にとまった
サイズぴったり
しゅっぱ〜つ!
狭い運河を 漕いで行くうち
大運河に出たよ
ボク 夢中になって あちこち探検したんだ
でも スピードを出しすぎたせいかなぁ
突然
ドッシ~ン! ザッバ~ン!
衝突したんだ
さいわい ボクは無事だった
けど 大きな黒いゴンドラに乗った人たちは 水に投げ出されちゃった
どうしよう みんなカンカンに怒ってる!
急いで カヤックで逃げた
全速力で 漕いで
漕いで 漕ぎまくって
ヘトヘトになるまで漕いだら
教会の扉を覆うカーテンの陰に隠れたんだ
外は どんどん暗くなっていっちゃう
パパとママ ボクの居所 わかるかなぁ
ボク 何だかちょっと 怖くなってきたよ
警備艇を目にしたら もう怖くてたまらなかった
その大きなサーチライトが まっすぐボクめがけて やってきたんだもん
もしかして ボク 逮捕されちゃうの?
警備艇には パパとママも乗っていて
ちっとも怒ってなんかいなかった
それどころか ボクを見つけて すごく喜んだよ
お祝いに みんなでレストランへ行って
世界一おいしいスパゲッティを食べたんだ
「明日は みんなでゴンドラに乗ってみようじゃないか」
パパは言った
「カヤックを乗り回すイタズラっ子と遭遇しなければいいんだがね」
対訳/ヒデキマツバラ
本作ならではの見どころ
いかがでしたか?
数あるシリーズ中、これほどスリル満点のドラマティックなストーリー展開は珍しいですよね。
いつもは子どもらしい失敗やいたずらをやらかす話がメインで、たまに大冒険する回といえば当人たちのホラ話というパターンだから^^
この第1作目に限っては、ガスパールが旅先のベネチアで1人、リアルな大冒険に出ます。
男の子ならではの胸躍らせる痛快アドベンチャーアクション!
印象的なのは、ガスパールの感情の振れ幅の大きさ。
退屈、スリル、冒険心、罪悪感、恐怖心、動揺、嘆き、安心感、そして幸福感。
物語を通じて、どんどん変化していくガスパールの気持ちが克明に描かれてます。
「逮捕されちゃうの?」と涙ぐむガスパールの表情には、キュンと胸打たれました。
キャラクターの体つきが今と違うのは、初期シリーズに共通するポイントですね。
ひょろ長い姿で、尋常じゃないくらいしっぽが長い(笑)
ちなみにガスパールは特定の動物種でなく人間という設定ですが、アメリカの解説文では「黒い犬」と紹介されていました^^
背景もいろんな見せ方で工夫されています。
見開きだけでなく細かなコマ割りが挿入されることで、物語にリズムと躍動感が備わり、冒険するガスパールのドキドキ感が伝わってきました。
いつになく多様なアングルで、ベネチアの魅力的な街並みを描き出しているのも印象的で。
特に、水路に映り込んで揺らぐ街並みなんかは写実的で、さすが油絵作家さんだなぁと。
ガスパール以上に大変な思いをしたパパ(笑)
笑わせられたのは、オチでパパが口にする言葉です。
「And I hope that there won't be any little rascals in kayaks. (カヤックを乗り回すイタズラっ子と遭遇しなければいいんだがね)」
この物語、親の視点で読んでいくと、全然違った味わいがあるんです。
そこで、ちょっと想像力を膨らませながら、作中では描かれていないパパの心境を追ってみるとしましょう^^
家族一緒に次の博物館に入館したはずが、次男坊がついてきていないことに気づくパパ。
家族総出で辺り一帯を探し回っても見つからず、ついには警察署に駆け込んで窮状を訴えた。
いてもたってもいられず、長男とまだ小さい長女を警察に預けると、ママと一緒に捜索隊に加わる。
でも近辺では見つからない。どうやら単なる迷子ではなさそうだ。
とすると、事故や事件の線が色濃くなる。
誤って水路に落ちた!?
まさか、誘拐!!??
無情に時間が過ぎていく中、不安は際限なく膨らんでいく。
ついには警備艇まで出動する騒ぎに。
一緒に乗り込み、目を凝らして息子の行方を探すパパ。
日暮れになると、焦りもマックス。
「あぁ、神様! 息子が無事に戻ってくれさえしたら、他には何も望みません!」
日は落ち、捜索打ち切り時刻が迫る頃、教会の入り口に小さな人影が。
ついに失踪中の息子を見つけた喜び!
ところが、いざ本人から事情を聞いてみて愕然。
「博物館巡りに飽き、誰かのカヤックを失敬して運河中を冒険していた」とのたまう次男坊^^;
しかもゴンドラと衝突事故を起こし、乗客をことごとく水路につき落としたとな!
うちの息子にケガがなくてよかったという安堵と、うちの息子が人様に多大な迷惑をかけたというバツの悪さ、それを同時に味わうことになったパパ(笑)
ガスパールにとって感情の起伏の大きな半日でしたが、それ以上に両親には心労の大きい日だったことでしょう^^;
とにかく無事に戻ってきたんだから、息子を叱らずに、お祝いのご馳走だ。
子供らを自分の趣味に付き合わせ、博物館巡りに引っ張り回したことを反省するパパ。
明日はみんなで思いっきりゴンドラ周遊を楽しもう。
けど、お咎(とが)めなしにガスパールを無罪放免するのもどうなのか?
というわけで、釘を刺す意味でジョーク交じりに言ったパパのセリフが、最後のオチなんですね。
つまり「(明日ゴンドラで周遊してるうち)カヤックを乗り回すイタズラっ子と遭遇し(我々一家の乗ったゴンドラに衝突されて家族全員が水の中につき落とされ)なければいいんだがね。(お前はそれくらいとんでもないことをしでかしたんだぞ!)」と暗に匂わせているわけです^^
あっぱれ、パパ!(笑)
こういう着想に、作者アン・グットマンのセンスが感じられます。
だからこそ、大人である僕らもこの童話シリーズを愛してやまないのでしょうね^^
●ボクがガスパールのファンになったきっかけ
●リサガスの話題に少し触れてます
ランキングに参加中です。1日1回どれかポチできます^^
◾️ヒデキマツバラ4Kライブ動画◾️️️
グラフィカルな動画編集に挑戦した『キャットウォーク』🐈
●無料体験レッスンキャンペーン●
初の無料体験クーポンを配布中!期間限定の特別企画です!
【クラス】ピアノ・作詞作曲編曲・ヒーリング全クラス
【内容】体験レッスン(30分)通常料金3300円を免除
【対象】体験レッスン当日に入会手続きを完了した方
【期間】10月末日
*こちらはサンプル画像です。クーポン獲得は以下のバナーをポチしてください。
お申込はLINEチャットまたはhttps://miminowa.jp/information/